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その後すぐに信号が青に変わり、車は発進した。臣さんは私の一言をきっかけに、黙り込んでしまった。失礼なことを言ってしまっただろうか。
「Aちゃん、」
臣さんは先程より真剣な声色で、私の名前を呼んだ。
「な、何でしょう？」
「さっきみたいなこと、あまり言わない方がいいぞ」
「すみません、失礼でしたよね...」
「いや、なんていうか...勘違いする」
臣さんはたしかに勘違い、と言った。何と何を勘違いするのだろうか。私はよく分からず、うーんと唸った。暫くすると、私の家の前に着く。やっぱり臣さんと一緒にいるとあっという間だな。
「あ、ありがとうございます！」
「おう」
「今日は色々とすみません。料理、美味しかったです！」
私はそう言って車を降りた。臣さんはいつも通りにこりと笑って「またな」と言って車を出した。いつも通りになってて良かった。けど、何か困らせてしまったかな。そんなことを考えていると、私の携帯が鳴る。
「はい、もしもし」
「あ！Aちゃん！？今日、MANKAI寮に行ったって本当？」
電話の相手は李奈さんだった。そう言えば李奈さん誘えばよかったな。今更に後悔してしまう。あの時は臣さんと話してて、そこまで気が回らなかったな。
「ごめんなさい、誘えばよかったですね」
「いや、それはいいんだけど、どうだった？」
「え、どうと言われましても...」
どうもこうもない。臣さんを困らせてしまったことを、伝えると李奈さんは溜息を漏らした。
「Aちゃん、鈍感すぎ！」
「え？」
「なんでもない。まあ、仕方ないか」
鈍感とはどういうことだろうか。やっぱり困らせているのに、ちゃんと謝らなかったからかな。私は不安になって李奈さんに相談をした。今日、臣さんに思ったこと全て。
「これって何なんでしょう...」
「経験が浅いって怖いね」
「ええ？」
何故かまた深い溜息をつかれ「また明日詳しく話そう」と言ってくれた。経験豊富な李奈さんなら、教えてくれるのかな。
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作者名：かりん | 作成日時：2018年5月8日 14時
