Music 4th ページ6
「わ、私としては嬉しいけど…」
「けど?」
承諾を渋っている。多分、カントク? さん一人では決められないみたい。
うーん…と困っていると、一番年上みたい。ティボルトさんが助け舟を出した。
「入団するにしろしないにしろ、彼の従姉妹ならある程度は関わると思うし…いつまでも、名前の知らないお兄さんお姉さんじゃ、彼女もやりづらいとおもうよ」
そうだね、とカントクさんが同意をした。
「じゃあ、私から。一応、このMANKAIカンパニーで総監督をしています、立花いづみです。よろしくねAちゃん」
私に目線を合わせて話してくれる。この人は優しい人。あの人たちは、いつも上から目線だったから…。
「A…でいいよ、いづ姉」
いづ姉、と呼ぶと、一気に顔が明るくなった。
「うん! …A」
「なぁに?」
「私が支配人を押してみるね」
「ありがと」
いい人…優しい。カズ兄と同じくらい優しい。
「つ、次はリーダーの俺が!
俺は、春組リーダーの佐久間咲也です! よろしくね」
「よろしく。ロミオ、かっこよかった。次の公演、楽しみにしてる」
「! うん! ありがとう!」
桜みたいに、パって明るくなるさく兄。心がすごく綺麗な人。純粋に演劇を楽しんでた。私も、純粋に音楽が好きだった頃もこんな顔してたのかなぁ…?
「どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。さく兄は優しいんだね」
「えぇ!? 俺は優しくなんか…」
「いーや、咲也は優しいよ」
つづる兄がさく兄に向かっていう。
さく兄は照れくさそうにはにかんで、そのままつづる兄と話していた。
76人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ