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episode.27 ページ28







−Aside−








ー子供時代。


私は両親の事をあまり覚えていない。


お母さんは私を産んですぐに死んじゃって、お父さんも仕事で忙しい人だったから、


両親でご飯を食べたり、出かけたりしたことがない。


でも一つだけ、覚えていることがある。


それは初めてお父さんに反抗したこと。


小学1年生の頃だった。


お父さんはお仕事で出張が多くて、飛行機に乗ってあっちこっち回っていた人だから、


私は近所に住んでいたお父さんのお姉さんにお世話をしてもらってた。


お父さんは月に1,2回帰ってくるだけで、それ以外は家にいない。


帰ってきてもずっとパソコンや書類に向かうばかりで、あまり私の相手をしてくれなかった。


でも私は、仕方ないって分かっていたつもりだったんだけど...


ある日、お父さんが珍しく丸一日お休みがあると私に話してくれてその日は遊園地に行こうかと私を誘ってくれた。


私は嬉しくて嬉しくて仕方なくて、その日が待ち遠しかった。


待ち遠しくて、カレンダーにお父さんとの約束の日に赤い丸を書いて、


その日が来るのを楽しみに毎日カレンダーを眺めてた。


そして待ちに待ったお父さんとの約束の日。


私はおばさんに余所行きの服を着せてもらってルンルンはしゃいでた。


でもそんな時、お父さんに一本の電話が入り、お父さんの表情が曇る。


『どうしたの?』


『...外せない仕事が入った。悪いが夜の飛行機に乗らなきゃならない。』


『...遊園地、行けないの?』


『ごめんな、A。また今度お父さんと二人で行こう。』


『...嘘吐き。』


『え?』


『嘘吐き嘘吐き!お父さんはお仕事のが大事なんでしょ!?私のことなんてどうでもいいんでしょ!?』


『ちが...違う!お父さんはそんなこと一度も...』


『もうお父さんなんか知らない!大っ嫌い!お父さんなんかもう帰って来なければいい!』


私は泣きながら怒って部屋に戻り、ベッドに潜り込む。


ずっと楽しみにしてた約束、お父さんと二人だけで過ごせると思ってたのに。


仕方ない事だって分かってたのに、あんなに酷い事を言っちゃって...


__夕方、お父さんは空港へ向かって車で走った。


私は、見送りをしなかった。


ベッドに寝転んで、ずっと『もうお父さんなんか帰って来なければいい。』


そう思ってた。


_____そして、それは現実になってしまった。






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設定タグ:A3! , 兵頭十座 , 紗也   
作品ジャンル:恋愛
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紗也(プロフ) - 茜さん» 読んでいただき、そしてご指摘ありがとうございます。誤った単語になっていたので修正させていただきました! (2018年9月4日 19時) (レス) id: 05866185b1 (このIDを非表示/違反報告)
- ポートレートではなく、ポートレイトではないでしょうか?違うかもしれませんけど… (2018年9月3日 22時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
紗也(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» ご指摘ありがとうございます!欧華って書きたかったのにしりとりみたいな感じになってしまってました笑 また何かあればお願いします! (2018年7月4日 14時) (レス) id: 05866185b1 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - エピソード1にて、火曜高校となっていましたが、「火曜、高校のブレザーを着て」的な文なのでは? (2018年7月4日 12時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗也 | 作成日時:2018年5月13日 21時

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