掴みたいもの 【兵頭十座】

episode.22 ページ23

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−十座side−


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ー翌日、いつものように登校して昼休みの時間になった。


十「___ん？」


購買でパンと弁当を買って教室へ戻る時、


階段を上がっていく月島をたまたま見つけた。


___どこ行くんだ？あいつ。



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ー月島の後をつけるように階段を上がって行くと、屋上の扉が。


十「...」


___ガチャッ


俺は扉を開け、屋上へと出る。


そこには、必死で何かを書いている月島がいる。


俺は静かに月島の方へ行くと、月島の隣に座った。


十「___月島。」


あ「わぁ...！！な、何！？」


十「俺が入ってきたの、気づかなかったのか？」


あ「なんだ...兵頭君だったのか。集中しすぎて全然気づかなかった...」


十「そんなにか...何やってるんだ？」


あ「ポートレイトの構成考えてた。もう明後日だからね。」


月島は話しながらペンとノートをバッグにしまう。


十「...いいのはできそうか？」


あ「うん、兵頭君のおかげで自分なりのポートレイトができそう。まだ内容は教えられないけど。」


十「___楽しみにしてる、頑張れよ。何かできる事があれば、頼ってくれ。」


あ「うん、ありがとう。」


___彼女の柔らかい笑みを見て、胸の奥がなぜかざわめいた。


あ「___兵頭君？どうかしたの？」


十「あ、いや...なんでもねえ。」


あ「...？」


この胸のざわめきの理由が、今の俺にはまだ分からなかった。


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