【短編集】あなたの一面 【狼ゲーム】

神崎ソウシロウ ページ17

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｢…まーた、吸ってるの?｣


｢これがないと生きてけないからさ♪｣


｢ツバキちゃんバレたら怒られちゃうよ｣


秘密にしてくれるでしょ、と
目を合わしてくる彼。…ずるいと思う。

私と神崎の関係は高校生と警察。
ここ毎日通ってたらたまたま神崎がいて、
そこからたまに話すようになっただけ。


｢最近学校は楽しい?｣


｢んー、まぁぼちぼちかな。
それなりに友達も出来たし、｣


｢そうなんだ〜、
…好きな人でもできた?｣


｢…え?で、できないけど｣



突拍子もない質問に思わず心臓が飛び出そうになった。
…何から察した?だって、なんも話してないよね?



｢Aちゃん最近可愛いからさ♪
好きな人でもできたかと思ってたよ｣


｢そ、そういうことね｣



お世辞でもなんでも神崎から可愛いって言われたことに内心ガッツポーズをした。
…お察しの通り、私は神崎に片思い中である。



｢…神崎はそういうのないの?｣


｢ん?そういうのって?｣


｢好きな人とか｣


言ってしまった、という後悔。
でも、わかっていても、なぜか、
ほんの少しだけどういう返しが来るか
期待してる自分がいる



｢ん〜、いなくはないよ?｣


｢なにその微妙なの!｣


｢秘密だよ♪………あ、ツバキちゃん?｣



電話。
この人も暇そうに見えて暇じゃないんだな
と、電話がかかってくるたび思う。






｢じゃあね、A｣


｢へ？！！！｣



名前で呼ばれたこと。
……おでこにキスされたこと。




反則だよ、そういうのって…





(あぁ、もう早く大人になりたい。)







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