Chapter ninetytwo ページ45
「…ねぇ、翔さん」
「んー？」
「今日さ……翔さんの家行きたい…。」
「いいけど…なんで？」
「なんか…もっと、翔さんと一緒にいたい、っていうか…」
「ふふ、今も一緒じゃん？」
「そうだけど…もっといたいの」
最近、翔さんとの甘い深いキスだけでは、足りなくなってきた。
あのお祭りの日、二人で初めて繋がったことを思い出す。
僕、ほんとは…。
あの時から、ずっと我慢してた。
もう、翔さんのキスや言葉だけでは足りないの。
もっと、深く、深く…繋がりたい。
「俺、二宮を家に入れたら理性持たないかもしれないけど」
「……いいの。むしろ、そうしてほしいの…」
「…え？二宮？」
「ごめんなさい…ワガママ言って。でもね、翔さん…。もう僕、翔さんの言葉とか、キスとかだけじゃ足りないの。翔さんの愛が欲しい…。もっと、翔さんのこと…全部、知りたいの」
精一杯な気持ちを、伝えた。
翔さんは、僕の顔を見て、こう言った。
「二宮がそう望んでいるなら、俺はその通りにするよ。…俺も、そう思ってたから」
「…ほんと……？」
「あぁ…今日、親いないから。家行こう」
「…ぅんっ…ありがとう、翔さん」
「いいえ。二宮の乱れてる姿見れるって考えたら、嬉しいし」
「…っ、変態！！///」
「笑笑」
その時、チャイムが鳴った。
「ん、じゃあ部活終わったらいつも通り玄関で待ってて」
「うんっ…わかった。」
翔さんと別れ、教室に戻る。
そして、いつも通りに授業が開始した。
翔さんと……。
んふふ、って笑っていると、潤くんに変な目で見られたのは気にしない。
窓を見ると、グラウンドで生徒が体育の授業をやっていた。
……あ、大野さんだ。
大野さんのクラスでは、キャッチボールをしていた。
大野さん、がんばれーだなんて、1人で応援していた。
それにしても運動神経いいなぁ。
その運動能力、分けて欲しいくらいだよ。
「二宮、そんなに窓を見ていて楽しいか」
名前を呼ばれて、ハッとすると、先生がこっちを見て睨んでいた。
「あ、えと…すみません」
「窓を見たって何もないぞ、ちゃんと集中しろ」
「はい…」
先生に注意されちゃった。
いけない、ちゃんと集中しないと…。
気合いを入れて、板書し始めた。
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作者名：まろん | 作成日時：2018年9月3日 23時
