Chapter eightysix ページ39
「…そっか。でも、翔くんならそんなことしないはずだよ。翔くんは相当二宮くんのことが好きだからね笑」
「ほんと、、かな」
「うん。翔くんを信じてみなよ。きっと何かの間違いだよ。」
「うんっ……」
なんか、大野さんのおかげで元気が出た。
「ありがとう、大野さん……。大好き」
「ふふ、嬉しいなぁ〜。でも、翔くんが嫉妬しちゃうよ？」
「大丈夫、翔さんには秘密だもん」
「あー、言ったな？言ってやろ〜」
「あっ、ずるい！！」
やっぱり、大野さんとは気があって楽しい。
「大野さん、僕そろそろ帰らなきゃ」
「結局翔くんとは帰らないの？」
「……だって………。」
「…そっか。じゃあ、また何かあったら聞くよ」
「うん、ありがとう」
「ばいばい、気をつけてね」
「ばいばーい」
大野さんに手を振り、足を進める。
ちらりとサッカー部を見る。
いつ見ても、カッコいい翔さん。
そんな彼と、僕なんて。
やっぱり、釣り合うはずがなかったんだ…
一人寂しく、家へ帰った。
いつも歩いている道。
いつも翔さんが隣にいた。
寒い、って言ったら手を繋いでくれた。
あぁ……もう。
文化祭も近づいてきてるのに……。
翔さんとまわるって約束したのに。
どうしよう……このまま仲直りできなかったら…僕……。
いつも、翔さんが隣にいるのは当たり前の日常だった。
僕に、たくさんの愛をくれた。
たくさん、僕が欲しい言葉をくれた。
僕のことを好きでいてくれた。
こんなに幸せなことなんて、もうないのに。
どうして、もっと素直になれなかったんだろう。
どうして、翔さんの望み通りになれなかったんだろう。
そう考えれば考えるほど、心に傷ができる。
翔さん……。
あの女の人は、一体誰なの…？
教えてよ。
ねぇ…あんなの嘘だよね？
翔さんが好きなのは…僕で間違いないんだよね…？
どうしよう……。
もう、頭の中ごちゃごちゃだ………。
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作者名：まろん | 作成日時：2018年9月3日 23時
