Chapter sixtytwo ページ14
キスすら慣れていないのに、間接キスはもちろん慣れていない。
ほんと翔さんって意地悪。
「もーっ…翔さん！」
「ははっ…、」
翔さんは相変わらず馬鹿にしたように笑い続ける。
そんな翔さんにむぅって睨んでみるけど、可愛いって言ってくる。
…べ、別に、嬉しいなんて思ってないし。
「翔さん、あっち行こー？」
「ん」
自然と手を握ってくれる行動に、少しドキドキした。
「結構混んでるね…」
「そうだね。」
うー、前が見えない。
あと身長10cm欲しいな。
翔さんは結構身長が高いので、余裕みたい。
いいなぁ。
「翔さん、屋台とかなんも見えないよーっ…」
「ヒール履いてけばよかったじゃん笑」
「あほ、何言ってんの！」
仕方ねーな、って言って、翔さんは屋台を見回る。
「なに、どこ行きたいの？」
「かき氷食べたい」
「かき氷？お前っていきなり食いもんなんだな」
「いーじゃん、別に。」
「太るぞ」
「え！…それはやだ、」
やばい、全然気にしてなかったかも。
どうしよう、太って翔さんに見捨てられたら。
「嘘だって。二宮は痩せてるし、太りやすい体質じゃないから」
「……翔さん、嘘言わないでよ…」
「ふふ、ごめん。」
それからかき氷が見つかって、また翔さんに奢ってもらった。
翔さんと一緒にかき氷を食べて、そのあと色んな屋台を回った。
途中で、潤くんとも会った。
「あ、潤くん！」
「あ、和じゃん。…櫻井先輩、こんばんは」
「おつかれ、松本」
「和、櫻井先輩と色んなことできた？」
潤くんが何やらニヤニヤしてる。
まさかと思い、ゾクッとした。
「…っな？！」
「ふふ、まだだよ。あとでいっぱいしような、二宮。」
代わりに翔さんが言って、翔さんまでニヤニヤしてきた。
もう、ほんとになんなのこの二人は？！
潤くんと別れたあとでも顔は真っ赤になっていた。
「翔さん、花火は8時半からだって。まだまだじゃない？」
「んー…早く来すぎたな笑」
「どうしよっか笑」
「そこら辺で、しばらく休憩してようか。俺、少しでも二宮と多くの時間を過ごしたい」
その言葉は、とても嬉しかった。
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作者名：まろん | 作成日時：2018年9月3日 23時
