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「ニノ!ニノ!!」
「落ち着いてください、松本さん!」
俺はもう無我夢中にニノを呼び続けた。
医者や看護師が緊急時に備えてある機械を取り付けては調べている。
「まずい……このままだと命が危ない、心臓マッサージしろ!」
「はい!」
心臓マッサージ……?
嘘だろ…?
嫌な予感がした。
もう、見てられなかった。
心臓マッサージをしている間、俺は何も出来ずに呆然と尽くしていた。
1秒でも遅れを取ってしまったら、ニノは___。
怖くて、見てられない。
2分くらい経ち、奇跡が起きた。
ニノの心臓が……動き出した。
「ニノ!ニノっっ!!!」
俺は涙をボロボロと流した。
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ニノの意識が戻ったのは、三日後だった。
俺はずっとニノの手を握りしめ、ただひたすら願い続けていた。
あの時、ニノは奇跡的だったらしい。
もし俺が少しでも遅く気づいていたら……と考えると、恐ろしくなった。
だから、ニノの意識が戻った時には、本当に心から喜んだ。
「ニノっ………!よかった、俺っ……」
ニノは瞬きを繰り返す。
そして、身動きひとつもしない。
それを俺は不思議と見つめていた。
「ニノ?聞こえる?」
そう問いかけると、何も言わない。
頷きもせずに、一体何があったのか。
「………は………ぁ、」
一生懸命何かを伝えようとしている。
そして、体が動いていない。
まさか……………。
ニノが言っていたのは、本当になったのか…?
前に、これからどんどん動かなくなっていくところが増えていくと言っていた。
まさかこんなにも、悪化するとは思いもしなかった。
「そんな……ニノ………。なぁ…喋れよ………喋ってくれよぉ…」
俺は、ニノの前で泣いた。
一番辛いのは、ニノなのに。
俺は弱いんだな…そう実感した。
ニノは、困ったように眉を下げるだけしかできなかった。
あの可愛らしい声をもう聞けないのか?
嘘だろ…?
それは嫌だ…。なぁ、嘘だと言ってくれよ…
ニノ……。俺はどうすることもできないのかよ…?
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にのラブ - にのの 全受けが見たいです。 よろしくお願いいたします!! (2019年3月17日 0時) (レス) id: 1acbe49b89 (このIDを非表示/違反報告)
hanadai - リクエストありがとうございました!次も楽しみにしてます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 9cf83b8f18 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 了解いたしました!期待にお応えできるように作ります(´∀`) (2018年11月23日 15時) (レス) id: 4629c106d3 (このIDを非表示/違反報告)
hanadai - そんな感じです!なんかじゃれる感じかな??まろんさんの小説好きなのでどんなのでも喜びます!!MNとANのリクエストにも答えてくださって嬉しかったです! (2018年11月22日 21時) (レス) id: 9cf83b8f18 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - くすぐるとは、ニノちゃんにこちょこちょ攻撃をする的な感じですかね?なんか語彙力なくてすみません!そして期待に応えれずにすみません…(;´Д`) (2018年11月22日 18時) (レス) id: 4629c106d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まろん | 作成日時:2018年8月30日 22時