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こうしてニノは、野ねずみと一緒に暮らすことになりました。
野ねずみの家のさらに地面の奥には、お金持ちのモグラの雅紀が住んでいました。
雅紀は、野ねずみと仲が良く、たまに遊びに来るのです。
可愛らしいニノを見た雅紀は一目惚れしました。
「なんて可愛い子なんだ!」
ニノを気に入った雅紀は、毎日遊びに来るようになりました。
ある日のこと、ニノはいつものように綺麗な歌声で歌を歌っていると、外で「バサッ」と音がしました。
音が鳴った方に行ってみると、なんと怪我をして倒れているツバメを見つけました。
優しいニノは、毎日ツバメの世話をしました。
「どうか元気になって。私が歌を歌ってさしあげます」
ツバメが元気になるように、ニノは得意の歌を歌って、ツバメの様子を見ました。
春になって、すっかり元気になったツバメがニノに言いました。
「あなたのおかげで、また飛べるようになりました。さぁ、一緒に南の国へ行きましょう。南の国は、とってもいいところだよ」
ニノは、返事に少し困りました。
「ありがとう。……でも、行けないわ」
「どうして?」
「私がいなくなったら、お世話になった野ねずみさんが寂しがるの…」
「…そうですか。では、さようなら」
ツバメがニノにお礼を言うと、空高く飛んでいきました。
夏が来ると、野ねずみが言いました。
「ニノ、いい話だよ。お金持ちの雅紀さんが、あなたをお嫁に欲しいんですって。よかったわね、雅紀さんに気に入られて。秋になったら、あなたは雅紀さんと結婚するのよ」
突然の告白に、ニノは驚きを隠せませんでした。
モグラの雅紀は嫌いではないのですが、モグラと結婚したらずっと地面の底で暮らさなければなりません。
モグラは、太陽も花も嫌いだからです。
夏の終わりの日、ニノは野原で静かに言いました。
「…もう、あなたたちと会うことが出来ないのね………。私は、あなたたちといてとても楽しかった。ありがとう。さようなら…」
ニノは悲しくなって、泣き出してしまいました。
こんなに大好きなのに、お別れをしなければならないのです。
それがどれほど辛いか、悲しいか。
その時でした。
空から聞き覚えのある声が聞こえてきたのです。
「ニノ。迎えに来ましたよ」
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にのラブ - にのの 全受けが見たいです。 よろしくお願いいたします!! (2019年3月17日 0時) (レス) id: 1acbe49b89 (このIDを非表示/違反報告)
hanadai - リクエストありがとうございました!次も楽しみにしてます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 9cf83b8f18 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 了解いたしました!期待にお応えできるように作ります(´∀`) (2018年11月23日 15時) (レス) id: 4629c106d3 (このIDを非表示/違反報告)
hanadai - そんな感じです!なんかじゃれる感じかな??まろんさんの小説好きなのでどんなのでも喜びます!!MNとANのリクエストにも答えてくださって嬉しかったです! (2018年11月22日 21時) (レス) id: 9cf83b8f18 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - くすぐるとは、ニノちゃんにこちょこちょ攻撃をする的な感じですかね?なんか語彙力なくてすみません!そして期待に応えれずにすみません…(;´Д`) (2018年11月22日 18時) (レス) id: 4629c106d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まろん | 作成日時:2018年8月30日 22時