ARS--N愛され系

SN 禁断の恋 ページ21

「二宮ー」






「はい」






「お前、今日追試な」





「ええぇ…」





「えーじゃない。いいか？」






「はい…」







俺が少し強めに言うと、しゅんとする子犬。





…じゃない、二宮。







相変わらず可愛いな、と無意識に思う。





愛くるしく笑う二宮が、たまらなく好きだ。









そして放課後になると、約束通り二宮は教室に残ってもらった。






「もー…先生、これくらいはいいでしょ？」






「だめ。この点数で、これくらいはってよく言えるな？」






「だって……。」







数学なんて、分かるわけないもん。







そうぼそっと呟いた。






「んー？今聞こえちゃったなー？」







「ほんとのことだもん。ねー、数学なんて難しいに決まってます。この点数でもおかしくはありません！」






そう言って、テストをばんっと机に置く。







「俺は今からお前の将来が心配だよ」







「とか言って、ほんとは心配してないくせに」







「してるよ」






ほんとー？ってくふふ、って笑う。







そんな余裕そうな二宮に、少しイラッとしたから、そっと抱き寄せた。








「なっ……先生？」






「ふーん…？じゃあ追試なくてもいいと？」








ほんとは追試で、俺と二人きりで嬉しいくせにね。







素直じゃない二宮は、嫌だとか言ってたけど。







そんなこと思ってないくせに。








「…いやだ。先生、教えてください」








ちらっと上目遣いで俺を見る。








そんな二宮が可愛くて仕方がなく、ぎゅっと抱きしめた。








「追試終わったら……俺が大人の遊び、教えてあげる」








「結構です！！！」







二宮は、顔を真っ赤にして叫んだ。








この後、もっと二宮が顔を赤くするのは、言うまでもない。









fin.

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