【A3!】キュートな田舎っ子カフェ店員

☆結婚した理由☆ ページ23

バルコニーに出ると、夜のひんやりとした風が肌を掠めた

柵に腕を組んで置き、ボーッと外を眺める


そして、Aのポートレイトのことを思い返した

みんなに慣れるため、心を開くために、話せることは全部話して欲しい。

今苦しんでいることを、吐き出して欲しい。

そう思った

だが最終的には、体調を崩させてしまうという結果に…

「…少し、無理させすぎたか」

加減がなかなか難しい

あまりストレスを与えないようにしないといけねぇが、それを気にしすぎると、何もできなくなる

だからと言っていろいろ経験させたとしても、体調を崩しちまう可能性が大きい

それに…

「左京さん？」

後ろから声がかかる

「茅ヶ崎か。珍しいな」

「ゲーム後の夜風って気持ちいいんですよ」

そう言って俺の隣に来た

「Aちゃん、もう大丈夫なんですか？」

「とりあえずはな」

「よかった」

プシュとコーラを開けて飲む

「あぁ〜うまっ」

「…お前、何しに来た？」

「ゲームでアツくなった体を冷やしに来たんですよ。さっきも言ったでしょ？」

疑いの目で見ると、茅ヶ崎は苦笑いした

「っていうのは本当だけど、口実っちゃ口実かな」

溜め息をついて、視線を外に戻す

「聞きてぇことがあるなら早く言え」

「左京さんは、どうしてAちゃんと結婚したんですか？」

「…そんなこと聞いてどうする」

「今日出掛けたとき、Aちゃんに同じ質問したんです。そしたら、『よく分からない』って」

心の中で思わずコケそうになった

「『さきょからのプロポーズがとにかく嬉しくって、気がついたら首を縦に振ってた』ってさ」

そういや、プロポーズを承諾してくれた理由なんて、聞いた事なかったな…

「照れない照れない」

「照れてねぇ」

「ｸｽｯ それで、ますます左京さんの想いが気になったんですよ。プロポーズする側としては、“よく分からない”なんてことはないでしょ？」

「…お前に話す理由はねぇな」

「あー、やっぱり？」

「茅ヶ崎もそういう相手が見つかれば、分かるようになる」

「俺の嫁は画面の中にいるからなぁ」

スマホを取り出して弄り始める

「…Aも、同じようなこと言ってたな」

「え？」

「『恋愛なんてしたことないから分からない。お父さん以外の異性で一番好きな子なら画面の中さ居る』って」

茅ヶ崎は興味深そうに「へぇ？」と呟いた

「そんな子を落とすなんて、左京さんやりますね」

「はあ？別に落とそうと思ったわけじゃねぇよ;;」

☆告白の記憶☆→←☆二人の秘密☆

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