episode6_過去 ページ6
あれからまた数ヶ月、夏がもうそこまで来ている頃。
彼女とは週に2回ほど一緒に帰るようになった。
〔亮くん！帰ろう！〕
教室で大きな声で言うもんだから、まわりのやつらから勘違いされたこともある。
まあ実際はそんなこと全然ないんだけども。
なんて考えてたら
〔遅い！〕
と教室のドアの前で言う彼女。
『ごめんごめん、待って。』
急いで彼女の元へ行く。
帰り道、
〔亮くんの将来の夢は？〕
なんて急に聞かれたもんだから、びっくりしておもわず、え？と声が漏れる。
『どうした急に。』
〔なんとなく。気になったんだよ。〕
少し間が空いて
〔亮くんかっこいいからなんでも似合いそうだねー！〕
って彼女は笑った。
かっこいい、と言われると素直に照れる。恥ずかしい。
自分の夢ってなんだろうか、
いや、あるけど。
〔やりたいことでもいいよ。将来。〕
『やりたいこと…俳優かなぁ。』
おもわずポロッと口が滑った。
誰にも今まで言ったことがなかった。
｢お前に俳優なんてなれるわけがない｣って言われると思っていたから。
やらかしたなぁ、聞かなかったことにして、そう言おうとした瞬間
〔え！めっちゃいいなあ。亮くん演技うまそうだもんね。眼力強いし。〕
彼女は俺の夢を笑わなかった。
『笑わないんだ』
おもわず声が出ていた。
〔笑うわけないよ。私応援してる。〕
彼女はそこまで言いきった。
なんでそこまで、なんでそんなに。
〔いやぁ、亮くんがテレビに出てたら嬉しいなぁ、友達に自慢しまくろう。
私中学の時この人と一緒によく帰ってたー！ってさ！〕
〔それでそれで、もしバライティに出たら私の話をしてよ、中学の時によく一緒に帰ってた友達の女の子が…って…いうのは嘘ね。〕
〔でもほんとに応援してるよ。亮くんならなれるよ。絶対なってね。〕
彼女は自分のことでもないのにすごく嬉しそうに話してくれた。
ほんとに心の底からいい人なんだなぁと思えた。
『頑張るよ。』
彼女の期待の言葉に、短いけど一番言いたかったことを伝えた。
〔その意気だよ！いける！〕
ちょうど自分の家の前で、大きくガッツポーズをした彼女は、続けてまたね！と笑う。
俺もまた明日、と笑い返す。
いつもどおり。
また僕が歩き出せば、みえなくなるまでずっと手を振っていてくれた。
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華恋(プロフ) - 初めまして！拝見させて頂きました^ - ^ とても可愛らしいお話でした(*´ω｀*) 宜しければ続きを書いて頂ければ幸いです＾＾ (2019年6月3日 18時) (
レス) id: 742fa85d85 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - とっても面白かったです！もし良ければ、続きを書いて欲しいです！！ (2018年11月19日 23時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ねこね(プロフ) - 里紗さん» 里紗さんはじめまして！ありがとうございます；＿； そんなこと言ってもらえてこちらこそほんとに嬉しいです！！！ぜひこれからもよろしくお願いします＾＾ (2018年11月3日 22時) (レス) id: b4e151c27d (このIDを非表示/違反報告)
里紗(プロフ) - はじめまして。RADWIMPSも吉沢亮さんもとても好きなので、この作品に出会えて、なんだかすごく嬉しいです。:) 更新楽しみにしています´`！ (2018年11月3日 15時) (レス) id: 0d62f91b4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこね | 作成日時：2018年10月23日 22時
