episode42 ページ43
〔たこ焼き食べよう!〕
彼女がそういえばたこ焼きを買って、半分こしたり。
〔祭りといえば…金魚すくい!!〕
そう言えば金魚すくいで対決もした。
勝敗は彼女が4匹、俺が10匹、俺の勝ち。
悔しそうに笑う彼女はとても愛しい。
.
〔美味しそう、それ〕
かき氷を食べてるとき。
彼女はいちごに練乳。俺はブルーハワイ。
隣の彼女が俺のブルーハワイを指さして言う。
『1口いる?』
〔やった!私のも1口あげる!〕
何気なく言ったつもりが、自分が恥ずかしくなってしまう。
彼女はなんとも思ってないような素振りだ。
〔あ、おいしい。〕
顔を赤くしてぼーっとしていると、気が付かぬ間に彼女に1口分取られていたらしい。
〔はい、どうぞ〕
笑顔で自分のカップを差し出してくる彼女。
そんな笑顔で差し出されたらなぁ、食べるしかないじゃん、
恥ずかしさに負けてしまわないうちに、1口もらう。
『あま、』
彼女から貰った一口は、甘くて冷たくて、口の中で直ぐに溶けてなくなってしまった。
〔だって練乳たっぷりにしてもらったからね!〕
どこか自慢げだ。
『Aって甘党だよな』
〔たしかにそうかも〕
『自覚ないの?(笑)』
アハハ!と幸せそうな笑い声を聞いていると、一生このままでいたいなと思う。
今がこんなに幸せなら、これ以上を求めて今の関係をも失ってしまうのがこわい。
花火の打ち上げ時刻まで、あと数十分を切っている。
計画では、花火が終わった直後に伝えるつもり。
そこで全てが決まる。
俺と彼女の10年間の関係が、進展するのか、終わるのか。
心臓は時計の針が進むにつれてドキドキと高鳴る。
〔どうしたの、なんかあった?〕
怖い顔してる、と不安げに顔を覗き込んできた彼女。
心配させてしまったら元も子もない。
『ごめん、かき氷でキーンってきた。』
〔なんだ、そんなことかぁよかった!〕
『いや結構困ってるよ』
〔ごめんごめん、大丈夫ですかー?〕
そんななんでもない会話が幸せで、彼女にずっと隣にいて欲しいと思う。
彼女のクシャッとした笑顔を隣で見るのは、俺がいい。
『そろそろ、花火見るとこに移動しようか、いい所を知ってるから。』
この関係も、あと少し。
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華恋(プロフ) - 初めまして!拝見させて頂きました^ - ^ とても可愛らしいお話でした(*´ω`*) 宜しければ続きを書いて頂ければ幸いです^^ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 742fa85d85 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - とっても面白かったです!もし良ければ、続きを書いて欲しいです!! (2018年11月19日 23時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ねこね(プロフ) - 里紗さん» 里紗さんはじめまして!ありがとうございます;_; そんなこと言ってもらえてこちらこそほんとに嬉しいです!!!ぜひこれからもよろしくお願いします^^ (2018年11月3日 22時) (レス) id: b4e151c27d (このIDを非表示/違反報告)
里紗(プロフ) - はじめまして。RADWIMPSも吉沢亮さんもとても好きなので、この作品に出会えて、なんだかすごく嬉しいです。:) 更新楽しみにしています´`! (2018年11月3日 15時) (レス) id: 0d62f91b4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこね | 作成日時:2018年10月23日 22時