episode41 ページ42
〔うひゃー、すっごい人だね。〕
屋台の周りまで来ると、さすがに人がごった返している。
人が多すぎてすこしクラクラしそうになる。
普段あんまり好き好んで人混みには来ないから。
でもそんなクラクラより彼女といられるワクワクの方が大きいから、まあいいやと思える。
〔はぐれちゃいそう〕
なんて彼女が苦笑いするもんだから。
『じゃあこうしよう』
〔ちょ…!〕
スっと彼女の手と俺の手を絡ませる。
『これでもう安心……な?』
我ながらなかなか恥ずかしい行動に照れてしまいそうになる、
けどここで照れたら負けだ、とか思って強がる。
〔恥ずかしいなぁ…でも嬉しいや〕
嫌がるかな、とか不安だったけどそんな心配いらなかったみたいだ。
私、あの吉沢亮と手繋いでるんだ!!と隣ではしゃぐ彼女。
笑顔がキラキラする、耳のピアスもキラキラする。
彼女の手は暖かくて、小さい。
.
〔あ、りんご飴!〕
りんご飴の屋台を見つけて嬉しそうに指を指す彼女。
『食べる?』
〔食べたい!私、好きなんだよなぁ〕
列の後ろに2人で並ぶ。
〔亮くんも食べる?〕
『ん〜、俺は別にいいかな。』
〔そっか。じゃあ1つください!〕
店番のおじさんからりんご飴を受け取る彼女。
「はい、300円ね」
これで、と隣から手を伸ばして、300円支払う。
隣から、え!? という彼女の声が聞こえたけど、いまは無視。
「まいどあり!」
支払いが終わって、おじさんの声とともに少し開けた場所を目指す。
さすがに人が多くて食べれないかも、と思ったから。
〔ねえ亮くん、お金払う〕
『いいよ別に』
〔え〜、よくない!〕
『一緒に来てくれたお礼。』
〔私も一緒に来てくれてありがとうだよ?〕
『それでいいんだって。』
適当に返事を返す。
普通、好きな女の子と祭りに来たんだったら男が奢るのが普通だろう。
かっこよく奢らせて欲しい。
〔じゃあ、お言葉に甘えて。〕
いただきます!と嬉しそうに大きなりんご飴にかぶりつく彼女。
〔おいしい〜〕
幸せそうに笑う。
こんな笑顔が見れただけで、ほら奢ってよかった、と心の中で思う。
また好きは深まる。
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華恋(プロフ) - 初めまして!拝見させて頂きました^ - ^ とても可愛らしいお話でした(*´ω`*) 宜しければ続きを書いて頂ければ幸いです^^ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 742fa85d85 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - とっても面白かったです!もし良ければ、続きを書いて欲しいです!! (2018年11月19日 23時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ねこね(プロフ) - 里紗さん» 里紗さんはじめまして!ありがとうございます;_; そんなこと言ってもらえてこちらこそほんとに嬉しいです!!!ぜひこれからもよろしくお願いします^^ (2018年11月3日 22時) (レス) id: b4e151c27d (このIDを非表示/違反報告)
里紗(プロフ) - はじめまして。RADWIMPSも吉沢亮さんもとても好きなので、この作品に出会えて、なんだかすごく嬉しいです。:) 更新楽しみにしています´`! (2018年11月3日 15時) (レス) id: 0d62f91b4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこね | 作成日時:2018年10月23日 22時