episode5_過去 ページ5
◎過去続きです◎
〔吉沢くん、私の事苗字で呼んでる?〕
『そう、だね。』
〔下の名前で呼んでよ!せっかく隣の席のなんだから。〕
隣の席だから下の名前で呼ぶだなんて初めて聞いた。
でもまあ彼女がそう言ってくれるんだったら遠慮なくそう呼ぼうかなと思える。
〔私も吉沢くんのこと下の名前で呼ぶ!亮くん!〕
嬉しそうに下の名前で呼ぶ彼女。なんとなく恥ずかしい。
〔だから私のこともAって呼んでよ。〕
『分かったよ……はる…じゃなくてA。』
恥ずかしい。普通に。
急に名前呼びなんて慣れないなぁ。
と呟くと、
自分で言っておいて私も結構恥ずかしい。
なんて、クシャッと笑う彼女。
最近気がついたけど、彼女の笑顔は「クシャッと笑う」という言葉がピッタリ似合う。
文字通りなのだ。
〔なんか友達になれた感じしていいね。〕
『うん』
〔今絶対適当に返事したよね。〕
『わかった?』
〔亮くんわかりやすいからね。〕
『どういう所が?』
〔あ、私の家ここなんだ、じゃあね。〕
『え、あ、じゃあ。』
一件の家の前で止まったかと思うと、ここが彼女の家らしい。
確かに表札に「春野」と書かれている。
いい感じに返事を誤魔化されてしまった。
俺ってわかりやすいのかな…。
彼女は見えなくなるまで家の前で手を振ってくれた。
俺も小さく振り返した。
なんとなく彼女と帰る道はあっというまに感じた気がして、もっと話したかったな、なんて思ってしまう。
彼女のことを名前で呼べるようになったんだ、友達って言われたんだ、と今日の会話の内容を思い出しながら、残りの道のりを1人で歩く。
なんだか彼女のことを考えているうちにあっというまに家に着いてしまっていた。
『なんか、ずっとAのこと考えてる気がする』
俺の呟きは部屋の中にぽつんと消えた。
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華恋(プロフ) - 初めまして!拝見させて頂きました^ - ^ とても可愛らしいお話でした(*´ω`*) 宜しければ続きを書いて頂ければ幸いです^^ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 742fa85d85 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - とっても面白かったです!もし良ければ、続きを書いて欲しいです!! (2018年11月19日 23時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ねこね(プロフ) - 里紗さん» 里紗さんはじめまして!ありがとうございます;_; そんなこと言ってもらえてこちらこそほんとに嬉しいです!!!ぜひこれからもよろしくお願いします^^ (2018年11月3日 22時) (レス) id: b4e151c27d (このIDを非表示/違反報告)
里紗(プロフ) - はじめまして。RADWIMPSも吉沢亮さんもとても好きなので、この作品に出会えて、なんだかすごく嬉しいです。:) 更新楽しみにしています´`! (2018年11月3日 15時) (レス) id: 0d62f91b4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこね | 作成日時:2018年10月23日 22時