こっちみて

1人の夜は ページ1

Ren side


1人の夜は嫌いだ。





ソファーに蹲って、嫌でも考えてしまう。






周りとの実力の差を。






分かってる。




比べたってどうしようもない事ぐらい。








でも、1人になると、ネガティブな自分が出てきて





夜が明けるまで自分を責めてしまう。











何でみんなと同じように出来ないのか





何でこんなにも不器用なのか





何で自分だけの才能がないのか









抱き寄せた両足に、顔を埋めてそんな事を考える。










マイナスな感情がどんどん頭を支配して、



息が苦しい。












この負のループから抜け出したくて






でも抜け出せなくて







大声で泣きたくて






でも泣けなくて











もう、どうすればいいか分からない。













＿＿＿＿＿＿助けて、紫耀・・・



















紫耀「ただいまー、遅くなってごめん・・・・って、廉？どした？」





廉「っ、しょお・・・・！」













ブワッと視界が滲むのが分かった。









そんな俺に、少しだけ目を見開いた紫耀は、





何も言わずに俺を抱きしめてくれた。










紫耀「ほら、泣かないの笑。しんどかったな」












紫耀には、お見通しだった。









こうして、気持ちが不安定になってしまう事が。













紫耀「・・ポジティブ・ブラック・Ren、じゃなかったっけ？笑」





廉「・・・・いつの話してんねん、」





紫耀「海人も心配してたよ？廉が元気ないって」












ふと、海人の顔が浮かんだ。







今日、俺を見る表情が浮かなかったのは、





俺の心配をしてくれてたのか。









そう思うと、申し訳なさが襲ってくる。










顔に出してたらあかんやん、








疲れてんのも、しんどいのもみんな同じやのに。

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