▽少しの独占欲 ページ26
.
「ねーちゃん！」
ガバッと抱きつかれる感覚。
忘れもしない、この抱きつき方。
『.. キルア、？』
ぱっとみてみると、そこには家にいるはずの弟のキルアがいた。
「あったり！」
そう言って、ニコリと笑う。
.. なんだか随分久しぶりな気がする。っていうか、なんでこんな所にキルアが居るんだろう、家にいるはずじゃ .. ？
そう疑問を抱いていた時、キルアは先程話しかけていた男に殺意を放っていた。
" ここから消えろ "
遠回しに言えば、俗に言う牽制。
だが、牽制にしてはだいぶどす黒い殺意を向けられ、男 __ トンパ はひっと悲鳴をあげ、どこかへ去っていった。
キルアは隣にいる姉を見る。
なにか考えているのか、合うことの無い眼球。
姉が家を抜け出して、大騒ぎになって。
1番に姉を愛していたイルミは今にもだれかを殺さんばかりの顔をして、" 早急に探し出せ " と執事に命じ、カルトも引きこもり、そんな状況にミルキはキルアへ八つ当たりをしていた。
キルアだって悲しくなかった訳では無い。
というより、" なぜ俺を置いていったんだ "という疑問が彼を埋めつくしていた。
誰よりも俺を分かってくれていて、優しく笑いかけてくれて、そばに居てくれた彼女が、なぜ俺を置いていったのか。
それは、きっとこの家を抜け出して、" 俺と二人でいたかったから "。
そうに違いない。
残念なことにキルアの頭は御都合主義だ。
自分の都合に合うように記憶を自分で塗り替えてしまう。
記憶を塗り替えてしまう、即ち話が通じず、ただひたすらすきだと伝えてくる。
そんな彼を、Aは本当に苦手としていた。
なんなら、兄弟で一番苦手だと言えてしまうくらい。
だからこそ、彼女は焦っていた。
ここにキルアがいると思っていなかった。なぜなら、ずっと家にいると思っていたから。
けれど、爪が甘かった。
彼女のことが大好きなキルアだ、なぜ自分を追いかけて家出をすると考えなかったのだろうか。
急な事態に思わず顔を顰める。
けれど、そんな彼女をみて、キルアはまた
「なんちゅー顔してんだよ！」
と笑った。
予想外な行動に思わず目を見開く。そんなAをみて、またキルアが " なんだその顔！ひっでー！"と笑っていた。
いつもなら、" 俺のことがすきだからこうしたんだもんね？大丈夫だよ姉ちゃん、俺はわかってる " と自分を納得させるかのようにいうのに、今日は何でかそれが無かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青谷(プロフ) - みなさん» わああ嬉しいです！！！そうなんです私がヤンデレすきなのでむりやりねじ込んでます(T_T)(T_T)コメントいただけるの本当に励みになりますありがたいです、、！更新頑張りますね！ (2020年12月20日 21時) (
レス) id: 5ce8256f2f (このIDを非表示/違反報告)
みな - うわぁ！！おもしろいです！！皆ちょっとヤンデレみたいですけど、、、、、。そんな所もおもしろいです！！更新楽しみにしてます！！ (2020年12月20日 8時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
青谷(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉までいただいてしまって嬉しい限りです..!更新頑張ります！ (2020年9月15日 22時) (レス) id: 5ce8256f2f (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！更新されるの楽しみにしてます♪頑張ってください(p`･ω･´q) (2020年9月15日 22時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青谷 | 作成日時：2019年1月22日 22時
