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薮宏太side
冷めきった料理を前に苛立ちと不安を抱え何度も時計を見る
放っておけばカップ麺で済まそうとする涼介のためにいつも隣の部屋へ出向き夜ご飯を作ってるが、その本人が
まだ帰ってきていない
いつもならもう既に帰ってきている時間なのな何かあったんだろうか?立ち上がって様子を見に行こうとした時、玄関の扉がガチャりと開く音がした
帰ってきたのかと、ほっとしながら玄関へ行けば靴を脱ぐ涼介の後ろ姿が見えた
薮「涼介、今日遅かったな。、何かあったのか?」
山「いや、大丈夫だ。ちょっと仕事しててな」
___なんで、そんな顔をしてるんだ
振り返った涼介がヘラっと笑う。その顔は昔よく見た悲しみを全部押し込めて笑う表情で
薮「涼介…?なにがあった?」
思わず、部屋へ向かおうとしていた涼介の腕を強く掴んだ
涼介は一瞬びっくりしたような顔をして、また悲しい笑みを浮かべる
山「なんでもないって……っ!?」
掴んでいた手を引いて、腕の中に閉じこめる。
涼介が困惑したように俺の名前を呼んだ
薮「言いたくないなら言わなくていい。けど…あんま一人で抱え込むな」
背中を優しく撫でながらいえば耳元でひゅっと息を呑む音が聞こえた
山「……ありがと、薮ちゃん」
首元がじわわじと湿っていく
涼介は泣いているんだろうか。
震える方を撫でながら、、優のことを1発くらい殴っとくんだったなと
ぼんやり思う
何年経っても涼介の心のどこかに優がいる。
忘れさせてやりたいけど、俺の優の代わりには絶対になれない。
友達だから。親友だから。
けど、涼介には昔みたいに笑って欲しいと思う。そのためなら自分の気持ちだって殺せるから
お前の良き理解者であり、親友であり続けると誓ったんだ
しばらく立っ俺の胸を押し涼介が離れた
顔を見れば少し目が赤くなっている
山「ごめん、ありがとな」
少し照れくさそうに涼介が笑った
その笑顔を見ただけで胸に暑いものが広がる
あの頃からずっと消えることのなかった想い。
離れてた時期だってずっと、忘れることは無かった
涼介が優を思うように俺だって、ずっと、ほんとは
___なんて、いえるわけもないけど
薮「うん…じゃ、夜ご飯食おうぜ。腹減った」
山「あぁ…そう言えば俺も腹減ってる」
そういったと同時にタイミングよくお腹がなった
それに2人で顔を見合わせて笑った。
胸は少し痛むけれど。
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作者名:名無し64299号 | 作成日時:2019年2月7日 4時