こんぺいとう (ページ20)

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4時間目

俺たちのクラスは体育だった

みんなが暑い日差しに照らされボールを追いかける中俺は木陰でそれをぼぉっと眺めていた

本当は俺だって体を動かしたいけど医者から激しい運動はストップされている。
1回それを破って運動したことがあるけど、苦しくなって倒れてしまった経験があるから
もう無茶はしない

大貴が活発に動いているのを何となく見てれいば誰かが隣にたった
見あげればもう見慣れたシュッとしたかっこいい顔があった

「裕翔くんだーどうしたの？」

中島裕翔くんは俺の親衛隊の体調を務めている。親衛隊っていうのは簡単に言えばファンクラブみたいなものだ。

中「隣いですか？」

「うん。どうぞ」

綺麗な顔に笑みを浮かべで、裕翔くんは俺の隣に座った

「裕翔くんと体育さぼり？」

中「はい。凛様が気になったので」

「ん？俺？」

首を傾げれば、裕翔くんの瞳が俺を貫いた

中「凛様…何かありました？最近元気がないようなので…」

俺そんなにわかりやすいの？そんなあからさまに元気なかったかな？

「大丈夫だよ？ただちょっと悩みがあるだけで」

中「それって、山田先生のことですか？」

「え……？」

その名前が出た瞬間胸がドキリと音を立てた

なんで、裕翔が知って…

俺が絶句してると裕翔くんは困ったように言った

中「私達は凛様こ親衛隊ですよ？凛様が誰を見ているかくらいわかります」

「うっ…そっかー、わかっちゃうかー」

なんだか恥ずかしくなって顔が熱くなっていくのがわかり、顔を下に向けた

顔が火照り冷めた頃、見計らったように裕翔くんが口を開いた

中「何を悩んでいらっしゃるのかそれは聞きません」

顔をあげればまるで慈しむように微笑む裕翔くんの
姿

中「私達はいつでも凛様の味方ですから」

息が詰まって、鼻がツンとした。
胸がぽかぽかとして、胸に暖かい何かが流れてくる

「…ありがとね。裕翔くん。あと、みんなも」

こんな俺をここまで思ってくれる、それは幸せなことかもしれない。

中「いえ、私達は凛様が笑っていてくれればそれでいいのです

＿＿＿たとえ、誰のことが好きであっても」

「え？なんて？」

最後の言葉は小さすぎて聞き取れなかった。
聞き返せば裕翔くんはただ寂しそうに笑った