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採点の手を止めて凝った肩をほぐす
俺は1年の数学を担当していて、数学準備室という部屋に宛てがわれてい
さすが金持ち学校とは思うけど一人で使うにはもったいないとは思う
どうもやる気にならなくて、立ち上がって珈琲メーカーて珈琲を入れる
俺は甘めが好きだけど薮ちゃんはブラック派
1回それを飲ませてもらったことがあるけどすんごい苦くて飲めたものじゃなかった
珈琲を飲みながらふと窓の外を除けばどうも告白の真っ最中らしいかった。下級生が上級生に真っ赤になって手紙を渡している
青春だな…男同志ということは置いといて
結果はどうなるのかと思いながら好奇心で見続けていればどうやらこの恋は実らなかったみたいだ
上級生が去っていったあとその場で泣き始めた下級生の少年
辛いよな…失恋は
どうにもあの少年を放っておけなくて、窓を開けて声をかけた
山「おい!お前、大丈夫かー?」
大きい声を出して呼びかければ少年がビクッと震えてこっちを見た
大きな目にたくさんの涙が溜まっていて瞬きをした瞬間こぼれ落ちた
男「えっ…あの、、その、…っ」
顔を真っ赤にしたり真っ青にしたりせわしないなぁと見ていれば、なぜか「ごめんなさい!」と叫んで少年は行ってしまった
声をかけたのが間違いだったか…と若干反省していればコンコンとノック音がした
この数学準備室はあまり、生徒が来ない場所に位置している。来るとしても、せいぜい薮ちゃんくらい。ほかの先生は職員室で大体連絡を取り合っている
カップを机に置いて扉に向かう
多分薮ちゃんかな…と思い扉を開けてそこにいた人物に思わず息を止めた
金色の髪がサラサラと揺れる。
薄い唇が弧を描いた
「やっほー先生…今大丈夫?」
山「桜井…」
なんでここに桜井が、、昨日のこともあったさいで、まともに顔が見れない。それでも生徒を無下にする訳にも行かず部屋へ招き入れた
山「珈琲飲むか?」
「ん。俺ブラックね」
桜井と自分の珈琲を入れ直す
白い湯気を立てるカップを2つ持って桜井が座る向かいに座った
すこし、沈黙が続いた
「それでさ、、先生、昨日のことなんだけど」
ついに来た腹を括って桜井見る
「先生、俺の兄貴のこと知ってんの?」
大きな目が戸惑いでゆらゆらと泳いでいる
「ていうか、どんな関係だったの?」
もうほとんど桜井は察しているかもしれない、俺とあいつの関係を
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作者名:名無し64299号 | 作成日時:2019年2月7日 4時