『ひゃくにじゅうはち。』 ページ34
数週間が過ぎ、遠征初日の日になった。
海兵達の準備とか、軍艦の整備とか、備品の調達、食料の補給など、ハードすぎる準備期間を終えて船に乗り込んだ。
［うっわぁしんど。見よるだけでしんどい。］
そう言われると余計しんどくなるからやめろ。
ため息を吐きつつ、出港作業を他の海兵と共に終わらせた。
終わる頃になると、上官達が乗り込んでくる。出港の管理担当じゃなければゆっくりしてもいいんだとか。
年功序列とか階級制度とか、巨大な組織に必要なのはわかってるが面倒なことに変わりはない。
「よろしくお願いします！スモーカー大尉！」
スモ「…おれにはいらねぇから他の上官どもにやっとけ。」
大尉、って偉いんだっけ。準備が7割ほど終わったタイミングで乗り込んできたスモーカーは、管理の上官と軽く話してから荷物を運び入れる手伝いを始めた。
［…あれ、もしかしてあの人もツンデレなん！？上官にたてついて、部下に優しいタイプの！？］
美味しいやつやん！と叫び始めるのを無視して作業を続ける。
その後もちょくちょく乗り込んでくる上官に挨拶しつつ、全員乗ったのが確認され船は出港した。
［飽きたぁぁぁ！！！見渡す限り海とか、いつまで続くん！？］
『空も雲もあるだろ。』
周りに誰もいないのを確認して呟く。確かに海しか見えない日がここ3日ほど続いているが、もうすぐ一つ目の島に着くらしい。
［青か白かの2色しかないやんか！！］
夕陽は赤いし夜は黒いけどな。
そう言おうかとも思ったが、見張り番の交代の人が来たので心の中で呟いてから見張りを代わった。
船酔いが心配だったが、軍艦のサイズが大きいんで揺れはほとんどなかった。
海軍本部、支部共に近海を回ってパトロールすることは普通だという。
一つ一つの島に支部を置く余裕は流石にない、というのは当然のことだし、交番が番地ごとにあったら崩壊するのと同じようなことなんだろう。
何人必要なんだ、って話になってきてしまう。
『ふぁ…。』
ゴッ。
『っ！？』
頭の上から降りてくる地味な衝撃。危ねぇな、舌を噛みそうになっただろうが。
スモ「気ぃ緩ませてんじゃねぇ。」
これから休憩に向かう途中なんだから緩んだっていいだろ。
『あ、海賊。』
スモ「あ？どこだ。」
指差した方向を素直に見るなんてアホだな。
『いねぇよばーか。見てたら分んだろうが。』
ゴッ。
『いっ！？』
せめて同じ場所はやめようぜ。流石に痛ぇ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
インドア女子(プロフ) - ありがとうございますぅぅぅ！！！色々ありましてしばらく更新をお休みしていました！！お正月までには4まで仕上げて投稿する予定です！！頑張ります！ (2020年12月6日 17時) (
レス) id: 5407537a6f (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2020年11月23日 1時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：インドア女子 | 作成日時：2020年2月2日 12時
