『ひゃくにじゅういち。』 ページ27
『…刀、好きなんだな。』
たし「そうなんです！剣士としてもっともっと腕を磨いて、いずれ世界中の悪党達の手に渡った “名刀”を集めて回るんです。」
『ほー、いい心意気だな。』
色々と店を回る内に、たしぎがどれだけ刀が好きなのかが分かってきた。ついでに種類やら位列やら、俺の知らないことも色々と教えてもらった。
たし「日も落ちてきましたし、この店で終わりにしましょうか。」
『そうだな。』
こじんまりとした店の中には古い武器ばかりが並んでいた。
「いらっしゃい。客が来たのはいつぶりかのう。」
『こんちは。じーさんはずっとここに？』
刀を見つめてぶつぶつ言い始めたたしぎを今までと同様に放置して、店主に声をかけた。
「そうじゃのう、かれこれ20年か。…昔は海兵じゃったんじゃよ。」
『へー、そうなのか…奇遇だな、俺と連れも来月から海兵になるんだ。』
「ほう、新兵じゃったか。」
海軍を引退してからここに武器屋を構えたらしい。とはいえ奥まった立地のため客が来ないのだとか。
足腰が弱くなり始め、武器を買い付けに行くのもままならないので店を畳もうかと思っているらしい。
「…お前たちが最後の客かのう。今日で閉店にするとしようか。」
『…そんなこと嘘でも言っちゃダメだろ、ご主人。』
「いいんじゃ。今まで踏ん切りがつかなかっただけのことじゃ。妻が死んでからこの方、惰性で続けてきたようなもんじゃし。」
閉店とか最後とか縁起でもないこと言うなよ、と言ったものの、店主の決意は固いらしく寂しそうに笑ってそう言った。
「未来のある新兵で良かった。…少し待っててくれんか？」
『そりゃいいが…。』
奥に引っ込んで行った店主は1つの細長い木箱を大事そうに運んできた。
「これを君に引き取って欲しいんじゃ。」
『…開けても？』
「…もう君のものじゃから自由にするといい。」
カウンターに置かれた木箱をそっと撫でてから店主は優しく微笑んでそう答えた。
『そりゃどーも。』
そっと蓋を開けてみると、緩衝材に埋もれるように小太刀が入っていた。
たし「綺麗な拵ですねー！」
『こしらえ？』
たし「ええと、分かりやすく言うなら刀身以外の見た目、ですかね。」
いつの間に来たのか、背後からたしぎが声を掛けてきた。小太刀の見た目の話をしているらしい。
店巡りをする中で、俺が専門的な話を理解できないことを察していたのか、簡単に説明をしてくれた。
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インドア女子(プロフ) - ありがとうございますぅぅぅ！！！色々ありましてしばらく更新をお休みしていました！！お正月までには4まで仕上げて投稿する予定です！！頑張ります！ (2020年12月6日 17時) (
レス) id: 5407537a6f (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2020年11月23日 1時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2020年2月2日 12時
