『ひゃくじゅうに。』 ページ18
〜NO side〜
「おれすごいもん見つけたかも知れねえ。ドラゴンの鱗が一個だけ違うんだよ。」
「どう言う事だよ。」
「なんか特別なんじゃねぇか！？」
「どれのことだよ。」
ほらあそこ、と1人が指差して他の3人もその鱗に注目した。近くで見てみないと分からない、と口々に言い身軽な1人が体表をよじ登って鱗に近づいた。
「この鱗。よく見たらひとつだけ逆向きについてるんだな。」
「逆向き…？おいそれ触るなよ！嫌な予感がする！」
「何だって？高すぎて声が聞きづらいからもっと大きい声で言えよ！ってぇ。切っちまった。」
下にいる3人に声を届けようと鱗に手をついて下を見ようとしていた男は、逆向きの鱗の先で手を切ってしまった。
『…グルルルルァァァッッ！！！！』
「なっ！？どういうことだ！？」
「さっきまで呼吸してなかったのに！」
突然大暴れし始める金龍に慌てふためく男たち。
龍の背に乗っていただけで掴まる場所も逃げる場所もない男は高所から振り落とされて絶命した。
長剣を携えていた男は戦おうとしたが刃こぼれした刃では敵うはずもなく龍の尾に叩き潰された。
他の2人も尖った牙と爪の餌食になり、肉塊へと変わり果てた。
荒れ狂う龍は地形を変え、地響きを巻き起こした。
ザッパァァン！！！
巨大な津波がカームベルト側から押し寄せ、金龍の鱗を叩いた。
｛そろそろ起きなさい。｝
｛世話のかかる小娘。｝
｛面倒な同類。｝
巨大な生物…海王類が海から顔を出し、ブルブルと首を振って水を切る金龍に声を掛けた。
『…あﾞー…、どちらさん…出したっけ。』
｛こっちが聞きたいよ。｝
｛いつだったか、突然降ってきたのはそっちだ。｝
｛今の今までずっと寝てたのは誰？｝
『…ちょい待ち。』
久しぶりすぎて喋りづらい喉の調子を整える為、島の中心部に程近い場所にある泉でうがいをした。
『コホン、えーと。俺はA。天竜人に見つからない様に海に出たんだ。…とりあえずイーストブルーから出ようと思ったんだが、いかんせん上空だし、地の利もないしで適当に飛び続けてたら力尽きて落下した。』
そこからの記憶はあんまりない。と続けた金龍は元の姿に戻ろうとするが、何度挑戦しても出来なかった。
『あー、これってまさかずっと変身してたからこっちの体に慣れちゃった系か…。なんか前にこの手の本読んだなー。』
なに戦記だっけ、と呟きながら妙に人間臭い動きで体の筋肉をほぐす金龍はどことなく滑稽だった。
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インドア女子(プロフ) - ありがとうございますぅぅぅ！！！色々ありましてしばらく更新をお休みしていました！！お正月までには4まで仕上げて投稿する予定です！！頑張ります！ (2020年12月6日 17時) (
レス) id: 5407537a6f (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2020年11月23日 1時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2020年2月2日 12時
