『よんじゅうに。』 ページ45
そんなこんなありつつ、あっという間にローとコラさんが出て行って半年が過ぎた。今日から俺は初めての一人旅に出る。
あの大量の金をどうしたのかって？旅の下準備の為に半分は消えて行ったし、もう半分は俺がいま背負ってるリュックの中に入ってる。
札束ってさ、1枚だとあんなにひらひらしてんのに、たくさん集まると重さが殺人レベルだよ。他の荷物もあるわけだから、さらに倍の重さになるとかしんどすぎるだろ。
『よっこいしょっと…。はぁ…。』
これから10キロも背負って旅をしろと言うわけか。
あ、そーいや登山家って20キロくらい背負ってるんだっけ。…うん。俺も頑張ろ。
『じゃあ、行ってくるわ。』
ベビー5「ぐすっ…。ひぐっ…。行ってらっしゃい…またね…！A…！」
ドフ「いいか、怪しい奴にはついて行くなよ。見た目で騙されるな。明るい色の服のやつは怪しいと思っとけ。豪華な服のやつもだぞ。笑い方がおかしいやつもだ。それから…」
『うん…。うん…。…分かった。』
ひたすら俺に怪しい奴の条件をあげてくれてるが、お前は全部に当てはまってるぞ。ドフラミンゴ。
30分ほどかけて全員がお別れを言い終えた頃、やっと出発のタイミングが見えてきたので、俺は笑顔で船を去った。
『元気で過せよー！またなー！』
遠くに離れて声が聞こえなくなるまでずっとベビー5の声が響いてきていた。
『ふぅ。』
さて、ミニオン島ってのはどっちだったかな。海軍と海賊の取り引きが5日後だから、コラさんが横取りするのは明後日のはずだ。
当日までには2人と合流できるといいんだが。
『さっむ！！！ぶえっくしょん！！』
無事到着したのはいいんだが、変身を解いたらめっちゃ寒かった。ミニオン島は荒れた廃墟しかないしそこを根城にしてるのも海賊だから、しょうがないので隣の島でコートを買った。
『よし、まだマシになったかな…。うぐぐ…。俺、寒いの好きじゃないんだが…。』
防寒対策ばっちりのモコモコに全身を包み、ずっしりと重たい雪から足を引き抜きながら、合流場所まで進んだ。
『足が寒いな。くそぅ、誰に許可とってこんなに寒いんだよ…。』
ピカッ！
『うわっ！？』
前方の左手側で何かが無音で爆発した。爆発の時の光だけが届いてきて気味が悪いが、あれは多分コラさんの能力だろうな。
少し遅れて爆風も届いてきたし。
それに続くように発砲音が聞こえてきたから、多分コラさんはまたドジをしたんだろうな。
『…よし。急ぐか。』
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2019年3月29日 22時
