ワンピの世界に転生した女子のよくある話 PART１ (ページ26)

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『にじゅうに。』ページ26

かなり低い声が後ろから聞こえた。目の前まで近づいてきていた大砲の弾が勢いをなくしてそのまま海に着水した。チラッとしか見えなかったけど、あの弾、凍ってなかったか？

「おーい！砲撃やめろー！下がっていいぞー。悪いな。勘違いしてたみてぇだわ。」

あの、頭撫でるのやめてもらっていいですか。

『助けてくれたことには感謝してるが、後ろからジロジロ見る暇があるんだったらもっと早く助けてくれたっていいだろ！』

「あらら。気づいてたのね。おじさん、気配消してたつもりなんだけどなぁ。」

『…げ。だとしても！見たらわかるんだからしょうがねえだろ！！』

「おじさんの方さっきまでチラリとも見てなかった気がするけど？」

こいつも身長高いのかよ。くっそう。この世界の平均身長縮め。首が痛え。

船を風で操って港につけながら大男、もといクザンと話をする。

クザ「よっ…と。軽いね、嬢ちゃん。もっと飯くわねぇと。」

『はぁ！？ふざっけんな！充分すぎるほど食ってるっつうの！てかおろせ！さりげなく抱っこしてんじゃねぇよ！！』

俺に逃げられないようにしてるんだな。こいつ。

クザ「で、嬢ちゃん、名前は？」

『A。』

クザ「年いくつ？」

『7歳だが？』

クザ「…え、本気？縮んでる大人かと。」

『海軍に嘘ついてなんになるんだよ。』

ため息をつきながらそう言ってやると、クザンは考え込むような仕草をした。

クザ「アルビノが日光に当たって大丈夫なのか？」

『体強いからな。問題ない。てか、あんた仕事しないのか？他の人が頑張ってんのに。』

港についた船に、海軍の人たちが上がってきて、海賊たちを連れて行っている。

クザ「おれか？いいのいいの。さて、嬢ちゃんにも細かい書類を書いてもらわないとな。」

『引き渡すだけじゃダメなのかよ！？』

クザ「まあ、そりゃあ、7歳児が海賊仕留めて来たんだぞ？当然じゃねぇか。」

『あ、なるほど。』

納得したわ。7歳児が賞金稼ぎなんてありえんよな。

そして、俺は抱っこされたままで個室の部屋に連れていかれた。抱っこってなんか腹が立つな。子供扱いされてる感じが。まぁ子供なんだけども。

クザ「親はいるのか？」

『んーと。捨てられた。』

クザ「どこから来たんだ？」

『小舟で流されてるうちに海賊に捕まえられて、そいつら張り倒した後もまた漂流してたから、ちょっとよく分からん。』

我ながらうまく誤魔化せてると思う。嘘は真実を混ぜながら話すといいらしいからな。