『なな。』 ページ11
ドフ「それなら無理やり連れて行く。」
『あ、それもむり。この島、いやこの山を舐めんなよ。面積が広いし、手が入ってない木々のせいで、かなり迷いやすいんだからな。』
ドフ「お前がいかないと言うならばこの国を滅ぼすぞ。」
『はい言質とったー。海軍に言いつけようっと。』
ドフ「それはやめろ。」
どうやら論破出来たらしい。海軍に苦手な人がいるのか知らないけど、これで安心だな。てか、黒モフもノエルも笑ってんじゃねーよ。
『…まぁ、島から出てみたいけどな。どんな世界があるのかは気になる。』
前世では県外にすらそんなに出たことないからな。世界一周旅行とか楽しそうだし。
「行ってきたら？」
『へ？』
ノエルは反対すると思ってたけど。応援してくれるんだな。
ドフ「船に乗せて、旅行にでも連れて行ってやろうか？」
『お前は黙っとけ。』
ピンモフがニヤニヤとしながら明らかに誘拐犯のような誘いをしてくる。
“子供は嫌いだ。”
『地面に指で書くな！子供か！』
黒モフがやっとなにかを話すのかと思いきや、地面に文字を書いて訴えてきた。自由すぎるだろおまえら。
ドフ「お前に来る気がなくても、お前が折れるまで俺たちはここでずっと寝泊まりするだけだ。」
『ったく、分かった。1年間お試しってことで、あんたの船に乗る。ただし、海賊にはならない。』
ドフ「フッフッフッ！！それならいいだろう。」
いいだろうっておまえに上から言われる筋合いないからな。寝泊まりされると面倒なだけで。
「ふふふ。楽しんでらっしゃい。」
『何も言わないの！？怪我させないようにしろとか泣かせたら張り飛ばすとか！』
「あら、あなたに怪我をするなって言っても聞かないでしょう？」
『う…。』
それはそうなんだけども。死ぬなとかさ、なんか心配されないと逆に困るっていうか。
ドフ「明日出発する予定だが、それでいいか？」
『荷物もないし、それでいい。』
「だめよ。服をもっと買わなくちゃ。お泊まりセットもいるでしょう？」
『本格的にするんだ！？』
真剣にそう言っているノエルに、俺は少し呆れてしまった。そこまでしなくてもいいだろ。
ドフ「船まで行くときに買えばいいだろう。」
「そうね。あと、当然だけど、荷物持ちしてもらえます？」
え、なんでピンモフが口出ししてきてんの！？それに当然のように荷物持ちさせるのありなのか！？
なぜか2人でトントン拍子に話が進んでしまい、結局ピンモフが荷物持ちになった。
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2019年3月29日 22時
