ちょうちょさんぽ(番外編) ページ45
｢A、入るわよー｣
そう言って釘崎が勢いよく扉を開ける。
『まだいいよって言ってないんだけれど、野薔薇ちゃんは今日も元気いっぱいでよろしい！』
両手で丸を作って朗らかに笑う。
ふと釘崎が胡蝶の机に広げられたアルバムに気付いた。
｢それ、なんのアルバムなの？｣
『家族写真とかのアルバムよ〜。
小さい頃のしのぶとカナヲが写ってるのよ！可愛いわよね〜』
顔が綻んで妹達のことを褒めまくる胡蝶に、釘崎は溜息をつきながらアルバムを覗き込む。
突然釘崎がポンと手を叩いた。
｢そうだ、みんなのアルバム見せ合いましょうよ、あいつらの写真も見たいわ。｣
『まぁ！それいいわね〜。みんなきっと可愛いと思うわ！』
善は急げ、談話室集合！とだけ言い残して釘崎は虎杖と伏黒の部屋へと向かって行った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢釘崎も急だよな！｣
｢突然やめてくれ…全く…。｣
｢何、伏黒？別にいいのよ？Aのちっちゃい頃の写真見れなくてもいいなら部屋にいても！｣
｢…っ。｣
胡蝶の写真を見たくてきたのだろう、図星を付かれた伏黒は少しムッとする。
『こういうのは多ければ多い程楽しいものよ！
あら…恵くんはあんまり写真撮らなかったのね？』
｢俺が写真嫌いだったからな。｣
そう言ってちゃっかり胡蝶の隣に座る伏黒。
驚いて小刻みに震えながら伏黒を指さす虎杖。
を引っ張って座らせる釘崎。
胡蝶はそんな三人をニコニコと見渡す。
｢そう言うAもだし、虎杖もだけど今現在までって言ったら少ないじゃない。｣
｢俺はじいちゃんに育てられたからな〜｣
『私は、そうね。
夏油さんに引き取られてからはあまり写真を撮らなかったの。
野薔薇ちゃんは割と多いのね。』
｢そうねー私は写真に撮って残すのが好きだったし。｣
そう言って順番にアルバムを見せることになった四人はじゃんけんの負け順から公開することになった。
順番的には伏黒→虎杖→釘崎→胡蝶の順だ。
＜伏黒 恵＞
〜小学生〜
入学式だろうか？学校の門前で、姉である津美紀と手を繋いでいる写真だった。
『あらあら、恵くん、とっても小さくて可愛いわね〜。』
｢あんた、この時からムスッとしてるのね、顔が。｣
｢こういうのって親と撮るんじゃねぇの？｣
｢母さんは病気でもうこの世に居ない。父親はどこにいるのかすらわからない。｣
サラッと答えた物凄い回答に、もう少し空気が重くなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しが尊い！！ - 取りあえず、花の呼吸の壱ノ型桜切り 参ノ型藤の舞とかどうですか？ (2022年11月20日 9時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
小紫 - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみに待ってます！お体に気を付けてください！ (2022年2月9日 1時) (レス) @page50 id: 68aa4e53df (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 小説読ませていただきました。何事も体が資本です。お体ご自愛ください (2021年9月30日 15時) (レス) @page50 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
油性(プロフ) - syanoaさん» コメントでの訂正ありがとうございます！直しておきますね！ (2021年7月28日 23時) (レス) id: 12f7f8a1eb (このIDを非表示/違反報告)
syanoa(プロフ) - 8話の「役不足」の使い方は間違いですよ〜。「役不足」は役目が実力よりも軽いときに使うので、「力不足」が正解ですよ〜。 (2021年7月28日 21時) (レス) id: 1950b6224d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：油性ペン | 作成日時：2021年5月30日 3時
