偽善の私or本当の私 (ページ20)

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『…最初から、その気だった…でしょ』

私が離れると腕を引っ張ってくるVさん

TH「お願い、ここに、いて」

さっきの様子とは打って変わって

弱々しい声になる

『車内に…いますから…離してっ』

熱っぽい顔が肩に乗っかって

吐息が耳にあたって熱い

TH「…離すから…俺の、バック取って」

そう言って解放される

車内からVさんのバックを探して

『これ、ですか』

手渡す

するとバックを漁って

TH「…あった！これ！」

そう言って手渡された1冊のノート

『…これ……って』

私の、メモ帳

『…っなんで』

TH「これ、Aちゃんのでしょ？」

なんて事もないように言うVさん

ゴボゴボ咳き込んでるVさんに

スポーツドリンクを手渡す

なぜか

上を向けない

TH「ゴホッ、なに、下向いて…え」

顔に手を当てて上を向けられる

やめて、上げないで

TH「泣いてるの？笑」

涙が、止まらなくなった

TH「あーもーよしよし笑」

私の頭を撫でるVさん

人前で、泣けた

零れ落ちてくる

TH「…心、開いてくれたね。やっと」

そんな事を呟いているのも知らずに

ひたすら泣いていた