鬼を狩る彼 (ページ3)

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幸せ者_杏樹郎ページ3

秋の夜長、
屋敷の縁側に座って月見をしていた。

『よもや！この団子はとても美味い！』

団子を頬張り体全体で喜びを表現している彼。
今、世界で1番幸せなのは間違いなく
杏樹郎さんだと思う。

｢それなら良かったです。
美味しいと言って貰えて嬉しい｣

『Aの作るものはどれも美味い！
このまま嫁に来い！A！』

｢もう嫁ですよ｣

『むむ。Aは私の愛する妻になったのであったな！』

私達は今年の春に結婚した。
1年前の冬、杏樹郎さんの屋敷に呼ばれ結婚を申し込まれた。

＿私は君と結婚をしたい。
そして、年老いても一緒にさつまいもを食べて欲しいと思っている！

私は泣き笑いしながら
＿よろしくお願いします
と一言言った。
彼はそんな私を強く強く抱き締めて泣いた。

『A！』

｢どうしましたか？杏樹郎さん｣

『私は君を愛している』

｢私も貴方を愛しています｣

『むむっ！Aがよもやだ！』

｢えっ私がよもやですか??｣

『うむ！だが、私もよもやだ！』

｢顔が真っ赤ですよ｣

『だから、よもやなのだ！A！君も顔が真っ赤だ！』

｢う、あこれは杏樹郎さんのせいですから！｣

『ははは！私は幸せ者だな！』

杏樹郎さんとの夜はまだまだ長いです。