あくまで平和なパーティ ページ35
「お久しぶりですね、ボス」
パッショーネの元ボスと現ボスの対面。周りの空気が、露骨に凍りつく。
一触即発と言ってもいい状態。ギャングの構成員達は自らを犠牲にジョルノを守り抜く覚悟で、その光景を見守る。
そんな中でもジョルノは爽やかな笑顔は絶やさず、対してディアボロは眉間にしわを寄せ、不機嫌そうな低い声で言い放った。
「何故俺を呼んだ」
「決まってるじゃないですかぁ、Aに会うためですよ
そもそもこのパーティはパッショーネの関係者しか立ち入れないので、貴方と一緒だと入れると思って
で、肝心のAは？もちろん連れて来ましたよね？」
「来てる
自分で探せよ」
「焦らし方がお上手ですね
ところで、そこのドッピオさんはAから話を聞いていたので存じているのですが、もう1人の方は……」
「雇った護衛だ」
「貴方に着いてくれる慈悲深い人なんてこの世に居たんですね」
「死にたいのか？」
「我慢ですよボス」
「で、その護衛の方は今はどこへ？」
「……あ？」
·
賑やかさも増し、静寂がその場から完全に消えた頃。
目立たない場所で、構成員に紛れて女性に声をかける影が一つ。
「こんばんはガッティーナ
フーゴから聞いてるよ、君はシーラEだね？このパーティの後、君を連れ出したら喜んでくれるかな」
「……ケッ、失せな」
遠のいていく女性の背中を見ながら、Aが呟いた。
「振られちゃった」
「お前そんなキャラじゃないだろ」
Aの横に立ち、ディアボロが呆れながら話しかけた。整った顔立ちでディアボロを見下ろし、吉良と同じ声で返事を返す。
「女性を口説くのは社交辞令だってシーザーが昨日言ってた」
「シーザーって誰だよ
昨日誰とも会ってないだろ」
「……あ、トリッシュ！
ちょっと行ってくる」
「おい」
「大丈夫だって、挨拶に行くだけだよ
口説くのは挨拶でもあるってシーザーが言ってた」
「だからシーザーって誰だよ」
性懲りも無く口説き始めるAにため息を零し、連れてこなければ良かったかもしれないと多少の後悔を実らせ、手に持ったグラスの中身を飲み干す。
以前、自分に謀反を起こした元護衛チームメンバーは、それぞれが幹部になり自分のチームを形成した。暗殺チームはそのままの面子で、向かう所敵無しだとこの界隈では有名になったらしい。
今は関係ないと割り切ってはいるつもりだが、やはりどこか複雑な気分になる。
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(名前)山葵(プロフ) - この小説と作者さんにに感謝 (2022年4月7日 18時) (
レス) @page50 id: 5816bc8f92 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き - 番外編も楽しく読ませていただきました。こんなに面白い作品に出会えて良かったです。本当にありがとうございました。 (2021年5月20日 9時) (レス) id: 640a457bd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1匹のメタリカ | 作成日時：2020年10月31日 9時
