住人若返り事件4 ページ20
「よっしゃ、寝「まず風呂な」
Aがディアボロの襟首を掴んで引きずる。いつもとは違う声に、思わず顔を上げた。
身長が高くなっている。今のAは大人の姿だ。しかも男性で、少々筋肉も付いている。
「一緒に入るのか」
「問題児を放っておけるかよ」
声が低い。DIOに似ているような気もするが、それでも心地よい声には変わりない。
ディアボロが1人で歩くために立ち上がると、身長に大差はなかった。いつもと違う視線に、違和感を覚える。
「で、問題児達は?」
「先に神話生物達に世話させてる
吉良はバーバヤーガに預けた
服を用意してたんだ、お前も運べ」
.
「……でかい」
「でかいな」
湯船でだらけるAを見ながら、カーズとディアボロは呟いた。
浴場は大きく、声がよく響く。
「……あ?」
「でかい。」
「何が」
「何がとは言わんが」
「成長したらこのくらいなれるだろうか」
「……俺も頑張ろう」
髪を洗い始めたディオとカーズを見て、少し新鮮に感じる。
いつもはあんなに大きかった背中が、今はこんなに小さい。
しかしディオの背中には無数の痣がある。背中が青く見えるほどの痣。
(……守ってやりたいのにな)
自分の兄だとしても心が苦しくなる。
「しかしお前、妙に慣れてるな
男である事に対して」
「暇なんでな
毎巡性別を変えてるんだ」
「……それ元の性別分からなくならないのか」
ディアボロの呟きに、Aは目を伏せた。
「……かもな」
「それにしても新鮮ですよねー
いつも女性だった人が今日は男性だなんて」
(初めて見た時は男だったんだぞ、ドッピオ)
「性別さえも変えられる種別が居たとは
地球とはなんとも興味深く、一体どれほどの未知で溢れているのだろうか」
髪を洗い終えたらしいカーズとディオも湯船に浸かり、Aの近くに固まった。
「人間も中々に興味深いが、なによりお前の謎を解明したい」
「っは、無理だろうな
私が自分自身に抱いている謎を、第三者が解けるのか?」
「解いてみせる
それがこのカーズなのだからな!」
威張るように胸を張るカーズを見て、Aは笑った。眩しい笑顔だ。
ディオは黙って水面を見つめている。
「……熱くないか?」
Aが問う。
「……別に」
「そうか」
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(名前)山葵(プロフ) - この小説と作者さんにに感謝 (2022年4月7日 18時) (レス) @page50 id: 5816bc8f92 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き - 番外編も楽しく読ませていただきました。こんなに面白い作品に出会えて良かったです。本当にありがとうございました。 (2021年5月20日 9時) (レス) id: 640a457bd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:1匹のメタリカ | 作成日時:2020年10月31日 9時