検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:11,846 hit

住人若返り事件4 ページ20

「よっしゃ、寝「まず風呂な」


Aがディアボロの襟首を掴んで引きずる。いつもとは違う声に、思わず顔を上げた。

身長が高くなっている。今のAは大人の姿だ。しかも男性で、少々筋肉も付いている。


「一緒に入るのか」

「問題児を放っておけるかよ」


声が低い。DIOに似ているような気もするが、それでも心地よい声には変わりない。

ディアボロが1人で歩くために立ち上がると、身長に大差はなかった。いつもと違う視線に、違和感を覚える。


「で、問題児達は?」

「先に神話生物達に世話させてる

吉良はバーバヤーガに預けた

服を用意してたんだ、お前も運べ」









.









「……でかい」

「でかいな」


湯船でだらけるAを見ながら、カーズとディアボロは呟いた。

浴場は大きく、声がよく響く。


「……あ?」

「でかい。」

「何が」

「何がとは言わんが」

「成長したらこのくらいなれるだろうか」

「……俺も頑張ろう」


髪を洗い始めたディオとカーズを見て、少し新鮮に感じる。

いつもはあんなに大きかった背中が、今はこんなに小さい。

しかしディオの背中には無数の痣がある。背中が青く見えるほどの痣。


(……守ってやりたいのにな)


自分の兄だとしても心が苦しくなる。



「しかしお前、妙に慣れてるな

男である事に対して」

「暇なんでな

毎巡性別を変えてるんだ」

「……それ元の性別分からなくならないのか」


ディアボロの呟きに、Aは目を伏せた。


「……かもな」



「それにしても新鮮ですよねー

いつも女性だった人が今日は男性だなんて」

(初めて見た時は男だったんだぞ、ドッピオ)

「性別さえも変えられる種別が居たとは

地球とはなんとも興味深く、一体どれほどの未知で溢れているのだろうか」


髪を洗い終えたらしいカーズとディオも湯船に浸かり、Aの近くに固まった。


「人間も中々に興味深いが、なによりお前の謎を解明したい」

「っは、無理だろうな

私が自分自身に抱いている謎を、第三者が解けるのか?」

「解いてみせる

それがこのカーズなのだからな!」


威張るように胸を張るカーズを見て、Aは笑った。眩しい笑顔だ。

ディオは黙って水面を見つめている。


「……熱くないか?」


Aが問う。


「……別に」

「そうか」

住人若返り事件5→←住人若返り事件3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
193人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(名前)山葵(プロフ) - この小説と作者さんにに感謝 (2022年4月7日 18時) (レス) @page50 id: 5816bc8f92 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き - 番外編も楽しく読ませていただきました。こんなに面白い作品に出会えて良かったです。本当にありがとうございました。 (2021年5月20日 9時) (レス) id: 640a457bd0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:1匹のメタリカ | 作成日時:2020年10月31日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。