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住人若返り事件2 ページ18

「よし、なかなか似合ってるぞ」


Aが、カーズとディオと吉良の服を作った。即興で作ったものだが、カーズは気に入ってくれたらしい。

ディアボロとドッピオはそこまで差はないので、以前買った服で事足りた。


「苦しくはないか?」


ディオは何も言わない。



「なぁA、腹が減った」


カーズがAの服を掴んで、言った。


(そうか、カーズは究極生命体になる前だから、食事がいるのか

……だとしたら、人間のディオは尚更……)


「どうしよう吉良……料理とか分からんのだが」


抱えた赤ん坊に助けを求める自分が情けなく感じる。


『私が教えようか』

「でも吉良はまともに料理出来ないだろ」

『作るのはAだ』

「あぁ、なるほど


……カーズ、何が食べたい?」

「吸血鬼」

「人選間違えたわ、忘れて

ディオは?」

「俺はまだあんたを完全に信用した訳じゃあない

元に戻るために協力してるだけだ

飯を出されても食わないさ」

「だめだこりゃ

元のこいつらとは違う意味で手に余る」

『美味い飯を出せば、DIOだって我慢できないはず

頑張って作ろう』

「頼りにしてます、吉良先生……

ドッピオ、手伝ってくれ

ディアボロは(邪魔だから)あいつらと遊んでやれ」

「もしかして死ねって言ってる?」









·









「……な、何だこの料理は……!

人間界の料理か!?」


目をキラキラと輝かせながら、カーズがそれを見る。


(ディアボロは死んだか……)


吉良から教えて貰いながら作った、何かしらの揚げ物。特に名前なんて無いが、カーズの目には美味そうに映ったらしい。

材料はマンドラゴラだの、ドラゴン肉だの、人間の世界には無い物ばっかりだが


「魔女様がその手で御料理を作られるなど、初めての事でございましょう

私、感激でございます……」


手伝いに来たバーバヤーガもやはり若返っていて、老婆の見た目は見る影もなく美しい女性になっていた。


「バーバ、お前と吉良のおかげだ

流石は33歳の赤ん坊」

『大抵は揚げれば美味くなる』

「こらカーズ!つまみ食いするな!」

「んえあい」

「『してない』だと?

口開けてみろ」

「……(逃走」

「あっ!

……ったく」


セイレーンやケンタウロスも、私の作る料理が気になるらしい。先程から目を輝かせながら、手元を見つめている。

グリモアも小さくなってしまった。靄の育て方とか知る由もない。


「よし、みんな

ダイニングルームに料理運んで」

「「は〜い」」

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(名前)山葵(プロフ) - この小説と作者さんにに感謝 (2022年4月7日 18時) (レス) @page50 id: 5816bc8f92 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き - 番外編も楽しく読ませていただきました。こんなに面白い作品に出会えて良かったです。本当にありがとうございました。 (2021年5月20日 9時) (レス) id: 640a457bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:1匹のメタリカ | 作成日時:2020年10月31日 9時

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