検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:12,341 hit

▽Anotherstory ページ8

「アイツ、大丈夫かよ」


AAを乗せた新幹線を見詰めながら高専の生徒、禅院真希は、心配そうに呟いた。


彼女が心配するのも無理もない。
出発直前まで駄々を捏ねていたのだから。

早く行けと言いながら送り出したものの、居なくなると急に寂しくなってくる。


それは他の2人も同じだった。


「大丈夫だろ、Aならうまくやれる。俺たちはそう信じてるからな」
「しゃけ」


心配している真希を励ますように、2人は声を出す。



こんなことを言っているが、やはり心配なものは心配だ。ここでどれだけ心配しようと、彼女に伝わる訳でもないが。


「ツナツナ、いくら」
「おっ、そうだな〜棘。もしAが帰って来たら、蹴ってまた追い出そうな」


おにぎりの具しか話せない狗巻棘は、蹴りのポーズを取りながら具を紡ぐ。
その意図が伝わったのか、パンダはもふもふの体を動かし同じようなポーズをした。


言っていることが鬼畜だが、これも全てAの為。

彼女への愛情なのだ。


一番心配をしていた真希も、最終的には2人に乗っかり「いいなそれ」なんて言い出した。



彼女を信じ、彼女が帰ってくるのを待とう。

そして、帰って来たら、皆でまた楽しく話をしよう。


どうかその日まで、生きていて。


***


仲間の元から旅立って1週間。

兵庫に身を置いているAの元に、ある大きな荷物が届いた。


「おっきいダンボールが二つ ……」


学校から帰って来ると玄関に置いてあった大きなダンボール。
教材の入った鞄を置き、ダンボールを家に入れて考え始めた。

差出人は狗巻棘。


仲間からの贈り物であるのには違いない。
通常なら喜んでいる場面……だが私は喜ばない。


差出人が狗巻棘だ、棘。
悪ノリ大好きなアイツのことだし、何か仕掛けがあるに決まっている。


「…このまんまにしてても邪魔だし……よし、開けるか」


ごくり。

唾を飲み込み、ゆっくりゆっくり開けていく。

完全に開かれる際、反射的に目を閉じた。
顔面にパイだけはやめてください…!!!








「……あ、れ」


何も来ない。

目を開けるとそこにあったのは、大きなパンダのぬいぐるみ。
拍子抜けだった。

棘にしては可愛いの選んできやがる、やるじゃん。


贈り物は嬉しい。嬉しい、けど……


「でっか過ぎるんだけど!?なにこのぬいぐるみー!!!」


すぐ棘に電話したのは言うまでもない。


因みにぬいぐるみはそれぞれマキ、トゲ、パンダ、ユウタと名付けた。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
117人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 呪術廻戦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 空白さん» とてもお洒落で格好良い返信をありがとうございます。お体にを気をつけて、頑張ってください。 (2021年2月10日 15時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» 甘蜜様、有難うございます。そのお言葉を貰うために書いているようなもの…なんていうのは言い過ぎでしょうかね。貴女の為にも、頑張ります。改めて、心を込めての有難うを貴女に。 (2021年2月10日 15時) (レス) id: 0456420c7b (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空白 | 作成日時:2021年2月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。