第1章「出会い」 ページ3
「わぁっ、転入生ちゃん僕の隣なんや！…あ。ごめんね、僕今テンション上がっとるみたい……。僕は
淡い桃色のふわふわとした触り心地の良さそうなくせっ毛を左右に揺らし、私に向かって微笑んだ彼─胡桃春。
“癒し系男子”という言葉は、彼のために作られたと言っても過言ではないと思う。
それ程までに可愛らしい見た目をしている。
「こちらこそよろしくね、胡桃くん」
差し伸べられた彼の手を、私は躊躇することなく握り締めた。
広い校内故に迷いながらもなんとか担任に落ち合うことに成功。担任と少し話をしてから、教室内へ。呪術師ということは勿論隠している。
中に入ると、興味深そうに全員が私を見詰めていた。穴が空きそうになるくらい見詰められていた気がする。
自己紹介をし終え、指示された席が彼、胡桃くんの隣という訳だけど。
後ろから2列目の窓側席。窓の外では、桜の花びらがひらりひらり、風に揺られて宙を舞っていた。
隣は胡桃くんで、後ろはなんか、チベスナみたいな顔の背の高い男子。
彼は私に興味が無いのか、窓の外を眺めていた。
こういう顔、塩顔って言うんだっけ？わかんないな、最近の言葉は。
確か……誰だったっけ。ここに来る前、生徒の名前と顔は大方把握してきたはずなんだけど。
頭の中に浮かぶ大量の顔写真と名前。それらを組み換えて組み換えて、やがてカチッとピースの嵌った音が脳に響いた。
えっと、ちべ、じゃなくて……すな。
そう、角名だ、角名倫太郎。
彼に関する情報を脳の引き出しから取り出そうと、私は思考する。
角名倫太郎。
2年1組在籍。
誕生日は1/25の16歳。身長185.7cm。男子バレー部に所属。体幹が人並外れているらしい。ポジションはミドルブロッカー。
仲良しな人は同じくバレー部に所属している宮侑、宮治、銀島結。
スポーツ推薦でここ稲荷崎高校へ入学。入学するために愛知から1人で兵庫へ引っ越してきた。現在一人暮らし。家族構成は母、父、妹。
報告書に書かれていたことをなんとか思い出し、ちらりと後ろを見た。
彼はまだ、窓を眺めている。
バレー部か……
ここ、稲荷崎高校は吹奏楽部や運動部、特にバレー部が強いと聞く。
強豪故に、呪霊が湧きやすいのだ。嬉しい、楽しいといった綺麗な感情がある反面、恨み、嫉み等の汚い感情も生まれやすくなる。
厄介な場所に派遣されてしまった。
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 空白さん» とてもお洒落で格好良い返信をありがとうございます。お体にを気をつけて、頑張ってください。 (2021年2月10日 15時) (
レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» 甘蜜様、有難うございます。そのお言葉を貰うために書いているようなもの…なんていうのは言い過ぎでしょうかね。貴女の為にも、頑張ります。改めて、心を込めての有難うを貴女に。 (2021年2月10日 15時) (レス) id: 0456420c7b (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2021年2月3日 18時
