野球バカ ページ5
そこに立っているのは、北のスピードスターと呼ばれていて、なにより私の憧れである、西川選手だった
でも、なんで鎌ヶ谷に？
きっとこれは幻覚だろう
なんて考えていると、
「おい、聞いとんか？」
え、やっぱり西川選手？
私に話しかけてる？
「は、い…」
「だからー、ちょっとは休めって」
そう言いながら私のところに近づいてきた
そして、ピッチングマシンのスイッチを切られた
「お前、練習しすぎや」
「そんなことないです…」
憧れの人と話すのはどこか緊張してしまう
「自分、何時間やっとんかわかっとん？」
「3、時間です」
「やりすぎや、ちょっとは休め」
「い…いやです…」
「はぁ？なんで？」
「早く、1軍で活躍したいんです…」
「それはわかるけど、休むことも大事やろ？」
そう言われると、返す言葉がなくなる
でも、私は休みたくない
そう言おうとすると、
「ちょっと手見してみ」
西川選手はそう言い、私の手を掴み、手のひらを見て、
「お前、マメつぶれすぎやろ。痛ないんか？」
そう言われ、慌てて自分の手のひらに視線を落とす
確かに、マメがつぶれていた
でも、痛みは全然感じなかった
「全然、痛くないです…」
「まじか笑 お前なかなかおもろい奴やな笑」
私には、なにがおもしろいのか全くわからなかった
だから、なにがおもしろいのか聞こうとした
だけど、
「練習するのはええけど、ちょっとは休めよー。
あと、テーピングもしてもらえよー。
じゃーなー、野球バカ」
西川選手は、そう言いながら帰ってしまった
野球バカか…
確かにそうかもしれない
だけど、西川選手
あなたの方がきっと、野球バカですよ
なぜかって？
それは西川選手の手を見れば一目瞭然
私に触れる手は、ゴツゴツしていて、それに、私より遥かに痛そうな手だったから
それに比べると、私なんて全然だ
もっともっと頑張らないと
さっき西川選手に言われたことなんて忘れて、私はまたピッチングマシン相手に黙々とバッティングを始めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありす #7(プロフ) - 雛月@どう頑張っても野球が足りないさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年1月14日 23時) (
レス) id: 29fcddf324 (このIDを非表示/違反報告)
雛月@どう頑張っても野球が足りない(プロフ) - これから頑張って下さい！展開が楽しみです！ (2018年1月14日 18時) (レス) id: 13913793ab (このIDを非表示/違反報告)
ありす #7(プロフ) - まりるさん» コメントありがとうございます！感想いただけて大変嬉しいです。これからも更新していくのでよろしくお願いします。 (2018年1月14日 15時) (レス) id: 29fcddf324 (このIDを非表示/違反報告)
まりる(プロフ) - このような感じの小説好きなので、更新楽しみです！頑張ってください！ (2018年1月14日 11時) (レス) id: b47e72213e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありす #7 | 作成日時：2018年1月12日 21時
