検索窓
今日:34 hit、昨日:43 hit、合計:34,609 hit

九話 ページ10

「やあ、Aちゃん」


放課後、一人寂しく帰ろうと思っていたときに、太宰君に呼び止められた。太宰君がふふふ、と甘い笑みを浮かべて、寄ってくる。


「今日は大変だったらしいね。井坂さんに絡まれて」

「君のおかげでね」

「せっかくだし、今日は二人で帰ろう。途中まで道、同じでしょう」

「何で知ってるの……」


太宰君は私の皮肉を無視してそう云った。というか、ほんとに何で知ってるの。人生初のストーカーが人生初の彼氏なんていやだよ。


「何故かって………、ふふ。それはひ・み・つ」


語尾に星がついたようなしゃべり方だった。少し、いや、かなりウザいし腹立つ。


そんなイラッとしている私を知ってか知らずか、太宰君は急かすように外を指でさした。


「ねっねっ、早く帰ろう」

「うん、わかったよ」


二人で無人の教室を出る。廊下に出れば、吹奏楽部の演奏が、響くように聴こえてきた。無言で玄関まで来たあたりで太宰君が話しかけてきた。


「そういえばAちゃんについて気になってたことがあるのだけれど」

「ん?何?」

「____中也のどこが好きなの?」

十話→←八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (243 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
323人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。