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「伊野ちゃん,来たよー」
オレは,毎日欠かさずお見舞いに来ている。
でも,オレの声は聞こえていない。
伊野ちゃんはテレビを見ていた。
何見てるんだろう...?
見てみると,VS嵐の再放送。
これって...。
オレがでてるやつじゃん。
涙が出そうになるのをこらえて伊野ちゃんの肩を軽くたたく。
伊野ちゃんは振り向くと紙になにやら書いている。
いつも紙で会話してるんだ。
伊野ちゃんがオレに紙を渡す。
『今日も来てくれてありがとう』
『当たり前じゃん。
てか,音なしでテレビ見るのっておもしろいの?』
『まあね。
いちよう,なにしゃべってるかでてくるからね。』
『そーかー。
でも,明日は手術なんだよ?
そんなのんびりしてるけど』
『のんびりなんてしてないけどなぁ笑』
『本当に?』
『うん笑』
そんな感じで一時間くらい会話してた。
でも,一時間も書いてるとさすがに手が疲れるから
だいたい一時間で終わる。
『じゃ,そろそろ帰るね。
手術,頑張ってね』
『うん。頑張る。
じゃ,またね』
伊野ちゃんに手を振って帰る。
いよいよ,明日は手術。
どうか___
成功しますように___
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作者名:抹茶 | 作成日時:2016年9月27日 21時