紅い蝶は霧の中

選ばれた ページ10

【タイガside】

俺は言葉を失った。
何故なら、ヒロユキの親友である礼奈から送られた文章は、
俺の生まれ故郷のウルトラサインだった。
それに、あの日に見たサインと似た
文章だった。

やはり、父さんの関係者なのか？

Fm『…なぁ 彼女にどう伝える？』
Hr「…うーん。一応、地球に使われていない言語だって伝えるよ。」

ふと見えたヒロユキの顔
どこか寂しそうだ。

Tit『怪獣が出没する世の中だ。
それが妥当かもしれないな。』

ヒロユキは再び、彼女と連絡した。
話が終わって、電話を切ろうとした途端、
一瞬、引き留めた。
━━━━━━━━━━━━━━━

Tig『ヒロユキ！もう一度、彼女に会って詳しい話を聞こう！』

ヒロユキは首を横に振る。

Hr「彼女は家に出たくても出られないんだ。だから出来るだけ、電話でやり取りするよ。」

Fm『それにしても、悪質な嫌がらせだよな…。あんな状況で助けに行った礼奈に酷いことを言うなんてさ…。
運が悪かったら、礼奈も死んでたかもしれないのに…。』

Tit『…そういえば、私たちが病院に駆けつけた時、トレギアが礼奈と礼奈の祖父を運んでいたな…。』

Tig『…まさか！アイツが仕組んだのか!?』

Hr「───いや、多分 彼じゃない。俺と礼奈が親しいのは知ってる。仕組んでいたなら、真っ先に礼奈を手にかける…と思う。それに光太郎さんが礼奈の見舞いに来てくれたって話してた。」
Fm『それ、…本当にトレギアか？』

フーマの言いたいことは分かる。

Tit『まぁ、人の噂も七十五日と言う言葉がある。ほとぼり冷めたら、嫌がらせはなくなるだろう。』

そんな2ヶ月ぐらいで、忘れるだろうか…？
本当にそうなら簡単に終わるといいな。

分からぬまま→←誰かの言葉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す