寂しい ページ5
誰かが泣いている。
その声は誰かを呼んでいた。
縋るような
恨むような
弱々しい声だ。
……待って、この夢はまさか…
私、見たことがある!
私は声がする方に進む。
足が重い。
進めば進むほど足が重たくなった。
礼奈「誰だ…?誰かそこに────」
待てよ。確か…前に声をかけた後、
私は声の主に引きずり込まれた。
その後に、目を覚ました。
一体、誰に?
コレは声をかけない方がいいのだろうか?
でも…、この声はなんて悲しいのだろう。
すると、
礼奈「────うわっ!」
突如、私の目の前に真紅の蝶が羽ばたいた。
鱗粉がキラキラして、とても美しい。
その蝶は声と反対方向に飛んで行った。
落ちた鱗粉が道のようになっている。
礼奈「光の道だわ…。」
まるで警告しているようだ。
正しい道はこっちだと示しているようだ。
あの蝶に着いて行った方がいいのだろうか?
もしも、あの蝶に着いて行ったら目が覚める?
声のする方から言葉が聞こえる。
「死にたい」
その言葉は、闇の中からハッキリと聞こえた。
礼奈「─────ッ!!」
何故だろう?
私が蝶が創った光の道を進めば、
もうココには戻れなくなると感じた。
私はどっちを選べば───────
〈ジリリリリリ…ッ〉
礼奈「───────は…ッ!」
目覚まし時計の音が部屋中に響き渡る。
礼奈「…助かったあぁ──!」
いつもなら、アラーム音が忌々しいと思うのに、
今日ばかりは心から感謝した。
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リウト(プロフ) - 話が面白くて、今か今かと続きを待ってて、 これからの展開を楽しみにしてます!!主さん本当に神です‥! (2023年1月8日 15時) (レス) id: 7c8ed141d6 (このIDを非表示/違反報告)
やみえゆ - つづき楽しみにしてます! (2022年8月18日 2時) (レス) id: c9f0d86674 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:NonoA | 作成日時:2022年2月6日 21時