検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:13,281 hit

☺炬燵 ページ5

ああ、今日も一段と冬を感じる寒さだな

悴む手を擦りながら息を吐いて少しでも暖を取ろうとする。マフラーか手袋でも付けてくるんだったな……と少しの後悔を抱えつつ、急いで帰路を辿る

駅から歩いて10数分、やっと自宅に着いた。寒さからかいつもより長く感じたのは気の所為だろうか

彼は既に帰ってきているはずだ。きっと、寒いのが嫌な彼のことだから部屋は十二分に暖まっているだろう。もしくは、昨日出したばかりの炬燵にでも入っているだろうか

ガチャ とドアを開けて

「ただいま」

と、声をかけても返事は無い。まあ、珍しいことではないか、と自室に荷物を置いて手洗いうがいを済ませる。彼がいるであろう部屋を覗いてみれば

「…やっぱり、炬燵にいる」

今にでも寝てしまいそうなほど首をこてんと傾け、目を閉じそうになっている彼の姿があった。

風邪ひいちゃうからここでは寝ないでねって言ったばかりなのになあ。いつもの目つきの悪い目も今は瞼の下に隠れてしまっている。こうしてるととても優しそうなのにな

セットして固そうに見える髪も、今はふわふわしていて、起きてしまうだろうからやらないけど……撫でくりまわしたい髪質だよなあ

そう思いながら、彼の向かい側の辺の炬燵に足を入れ暖を取る。部屋も十分なくらいに暖かくって、足から暖まってくる感覚から眠気が段々来てしまうのは仕方が無いだろう

気持ちよさそうに眠っている彼を眺めていたら、瞼が落ちてきてしまったのだ

「…ふぁ……ねむ」

寝てしまってどのくらい経ったのだろうかと、時計に目をやろうとしたら

「…いつの間に帰ってきてたのか」

今日は帰りが遅くなりそう と連絡が来ていた彼女の髪が視界に入った。

多分だけど、寝てた俺を起こさないように来たんだろうな。起こしても文句は言わねえのに

いくら室内が暖かいとはいえ、炬燵で寝るのは風邪を引いてしまうから起こさなきゃな

「A、……A起きろって」

肩をトントンと叩きながら彼女の名前を呼ぶ

寝起きのいい彼女はそれで起きたらしく、目を軽く擦りながら体を起こす

「風邪ひくから起きろって」
「…スマイルが先に寝てたんじゃん」

「…俺は引いてもいいけどさ、」
「良くないよ??」


「お前が苦しむのは嫌」

そう言った彼の頬は赤く染っていた


ーーーーーー
お題ガチャ こんな二人がいればいい 様参考

👓炊事→←🎤嘘寝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
113人がお気に入り
設定タグ:ワイテルズ , wt
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Himawari | 作成日時:2021年12月15日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。