2人の日々【wt】 (ページ23)

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陸上の競技場に来るのは初めてだなあ……彼に" あ、A、十分な量の水分持ってこいよ " "あと帽子も被れ "ときつく言われてしまった。確かにこれはそうかも…と暑い日差しが差し込む観客席に腰を下ろして納得した。

「あつ～……しゃけは…っと？」

持ってきたタオルで少しかいた汗を拭って、競技が始まる前に彼を探す為に目をキョロキョロ動かす

準備体操をして体を動かせるようにしているしゃけを見つけた。念入りにやっている所が彼らしい、と少し微笑ましくなった

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流石に、しゃけが出る種目については少しだけだけど、調べた。長距離？っていうやつで、柔らかく伸び縮みしやすい筋肉だとパフォーマンスが高いらしい

短距離と長距離で必要な筋肉が違うんだ……と少しばかり驚いたのはその時だった。

数日を思い返している間に、彼の出る種目になったらしく、スタートラインに立つしゃけの姿が見えた

ﾊﾟﾝｯ

スターターが合図を鳴らす。選手各々のペースで走り出す。周りは少し早い選手がいることで焦りがちだと思うが、彼は焦ることなく自身のペースを保っている。

校内でいつものメンツとふざけあっているような少年相応の彼の顔ではなく、追い抜く隙を伺うような闘争心のある彼の顔にピントがあった気がした

それからは競技中ずっと彼だけを視界に入れていた

競技も終わって緊張感からも解放された、はずなのに胸が脈打つ感覚が離れないし、顔の熱は引かない

「も、もしや……しゃけのあの瞳にやられた？」

唖然としたような考えが自分に過ぎった。否定もできない私に納得せざるを得ない

「？おーい、A」
「！しゃ、しゃけ、お疲れ様！！」
「ありがとよ、……どうだった？」
「～～かっこよかったよ！！」
「うおっ！？っぶね…」

感想を聞かれた私は、照れ隠しついでに彼に飛びついた

受け止めてくれた彼の手は熱かったのを覚えている

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だいぶ更新が遅れてしまいました……陸上の描写が難しく、中々筆が進みませんでした。

多くの方に見ていただき嬉しい限りです！ありがとうございます。

拙いところも多いですが、これからも応援して頂けると嬉しいです