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耳を寄せてやれば、彼女は手を添えて音が、声が俺のとこに行くよう導きつつ発する。それは、お出かけのお誘いだった
そういえば、最近は一緒に外に行けてないな
「…行くか」
と思いつつ、その提案に頷いた。俺が頷いたのをみたAは、ぱぁっと花が咲いたように顔を輝かせた
そこまで構ってやれてなかったか……?いや、確かに最近はあいつらとばかり居たような…??
うーんと考えていれば、Aが服の裾をちょいと引っ張っていることに気づいた
「……そろそろ行くか?」
「!うん」
俺の問いかけにすぐ頷いたAの手を繋いで、エコバッグをもって外へ出る
すまはクラクションの音も聞こえづらくなってしまった。危ないから、と私だけが買い物に行くことが多くなった。重い荷物や私じゃ持ちきれないほどの量になった時には、すまの友人…というよりはメンバーが手伝ってくれていた。それを彼は知っているのだろうか?多分知らないはず
手を引いてくれた彼について行くように、でも周囲には少し気を配って歩く。全く聴こえないという訳では無いが、注意をするに越したことはない
「…久々だなぁ〜」
ぼそっと 独り言のように漏らしただけだったが、彼はどうやら拾ったみたいで
「そうだな、……A、」
「なあに、すまさん」
「これからも迷惑かけると思う。……けど、」
「ずっと一緒に居るよ」
驚いたように目を見開く彼にニコッと満面の笑みを送る。何を今更、ずっと一緒に居たいから君と付き合ったんだよ?
「困難は一緒に乗り越えていこうよ」
「そうだ…よな」
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作者名:Himawari | 作成日時:2021年12月15日 18時