23 ＊ ページ24
閉まった扉の音は
一年前のあの日に部屋を出て行った時に聞こえた音と同じだった。
_______パタン、と。
開く音は聞こえない。
閉まる音だけが私の頭でこだまする。
シズカ「あの、Aさん、」
「ごめんね、シズカちゃん。」
隣で困ったように眉を下げるシズカちゃんに
ごめんね、と無理にあげた口角で笑えば
いえ、って。首を横に振られる。
きっとシズカちゃんからすれば
さっきの光景なんか意味がわからないはずで。
しかも、彼らのファンでもあるのだから
ふざけるなって思われてても仕方がないはず。
それなのに聞こえた声は「あの」って、優しくて。
シズカ「Aさんこの後、お時間ありますか？」
・
シズカ「やっぱり直帰って最高ですね！」
「うん、そうだね。」
乾杯、とぶつかったジョッキ。
目の前には、ぷはー！と美味しそうにお酒を呑むシズカちゃん。
「…あのね、シズカちゃん、」
シズカ「ストップ！」
さっき事なんだけど、と口を開いた瞬間
それを制される。
驚いて目を丸くすれば
「無理に話さなくてもいいんですよ」って。
眉を下げながらそう言われるから、私の眉も下がってしまう。
この子は、どれだけ優しいんだろう。
「聞いてほしいの、シズカちゃんには。」
「だめかな？」ってそう聞けば、ぶんぶんと首を横に振ってくれて。
「聞かせてください」
そう目を真っ直ぐ見てくれる。
「松村北斗とはね、高校の同級生だったの。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆみん(プロフ) - 読みたいです (12月31日 9時) (
レス) @page34 id: 66c22866d5 (このIDを非表示/違反報告)
anna - 続きが早く読みたいです！すごくドキドキするし、ちょっと苦しいです、、更新楽しみにしてます！ (2022年10月31日 18時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (2022年10月30日 17時) (レス) @page20 id: 2bdb18e4ab (このIDを非表示/違反報告)
だいきゃん(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！！不定期更新ですが、よろしくお願いします！ (2020年12月20日 18時) (レス) id: b5a2ac4f1e (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白くて一気見しちゃいました笑笑更新楽しみにしています！！ (2020年11月29日 12時) (レス) id: 419554672b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だいきゃん
| 作成日時：2020年5月14日 17時
