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松村side
___________Aちゃんに会った。
俺に向かってはっきりとそう言う樹の表情は真剣で
嘘じゃないってことがすぐわかる。
でもそんな樹に
そ、って興味のないフリをする。
田中「相変わらず可愛かった。」
樹のその言葉と同時
読んでいた本をパタンと閉じる。
読んでたっていっても、内容なんかこれっぽっちも頭に入ってないけど。
田中「俺らがデビューしたの知ってたよ。」
松村「…そ、」
いつもうるさいはずの楽屋が今だけは静かで
聞こえるのは俺と樹の会話だけ。
田中「この辺のカフェで会ったから、北斗も行ってみれば？」
松村「行かない。」
ふぅん、って真っ直ぐ俺を見る樹。
なんだよって俺も樹の目を見るけど
バカだなって言われてるみたいですぐ逸らしてしまう。
だからって、また本を読む気にもならないから
俺の視線はさまよった挙句、自分の手元へと落ちる。
田中「元気って言ってたよ。」
「俺には空元気に見えたけど」って。
そう言った樹の眉は少し下がっていて。
松村「…自販機行ってくる。」
俺は逃げるように席を立ってドアノブに手をかける。
そしたらその瞬間、
田中「お前と一緒だよ。」
そんな声が聞こえてつい
ピタ、と動きを止めてしまう。
でも止まったのはほんの一瞬で、振り向くこともしないですぐ楽屋を出る。
バタン、と背中から聞こえる扉の閉まる音。
松村「…元気、」
その言葉を聞いて、ホッとしたのは事実。
でも空元気って聞いてその原因が俺だったら、なんて思ったのも本当。
携帯を開けばもう残っていないAの連絡先。
それなのに、指が覚えてる電話番号。
押して消しての繰り返し。
最後、発信ボタンがどうしても押せないまま。
松村「…何してんだよ、俺。」
今も、あの日も。
ムシャクシャして前髪をぐしゃ、とするけど
現状は何も変わらない。
ただ、かけることもできない電話番号を
ひとつずつ消した。
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まゆみん(プロフ) - 読みたいです (12月31日 9時) (
レス) @page34 id: 66c22866d5 (このIDを非表示/違反報告)
anna - 続きが早く読みたいです！すごくドキドキするし、ちょっと苦しいです、、更新楽しみにしてます！ (2022年10月31日 18時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (2022年10月30日 17時) (レス) @page20 id: 2bdb18e4ab (このIDを非表示/違反報告)
だいきゃん(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！！不定期更新ですが、よろしくお願いします！ (2020年12月20日 18時) (レス) id: b5a2ac4f1e (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白くて一気見しちゃいました笑笑更新楽しみにしています！！ (2020年11月29日 12時) (レス) id: 419554672b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だいきゃん
| 作成日時：2020年5月14日 17時
