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01 * ページ2

「中生ひとつ、お願いします。」







先に呑んでて、って届いた通知を確認して中生をひとつ近くにいた店員に注文する。









「失礼、します。」

「そこじゃないでしょ。」

「え?」

「隣、座れば?」










…彼に出会ったのは、高校生になった初日だっけか。


まだ酔ってるはずもないのに
過去にもできていない彼との時間を思い出して

懐かしいな、なんて苦笑する。






未練がましい女は駄目






次の恋に進みなさい、と。
そう言われたのはいつだっけ。


前の恋を忘れるには新しい恋って。
何かの本に書いてあった気もするけど、そもそも前の恋を覚えてるうちは新しい恋なんてする気にもならない。

そんな事を今だに思ってる私はまだやっぱり、彼の事を過去の人にできないから…なんて。






きっと彼の中で私はもう、過去の人なのだろうけど。




お待たせしました、と目の前に置かれた生ビールを一口ごくっと呑めば仕事で疲れた体に染み渡る。


そしたら頭上からお待たせ!って声が聞こえて
中生もうひとつ、と近くの店員さんに注文をしながら


友人のアキが私の前の席に腰を下ろした。









アキ「最近どう?」


「絶好調、とは言えないよね。」


アキ「私も、仕事が忙しすぎて頭パンクしそう。」









コトン、と置かれた中生を持ち上げて
かんぱーいってグラスを合わせる。

それからおつまみとかも頼んで、「それで?」なんて会話を始める。








アキ「仕事以外は?最近、どうなの。」


「…絶好調?」


アキ「それは絶対嘘。」







私の返答に即答するアキは、唯一私と彼の事を知ってる人。


次の恋に進みなさいって、そう言ってくれたのはアキだった。
でも、忘れなくてもいいんじゃない?と言ってくれたのも同じアキだった。



この二文、全く対照的な言葉なのだけれども。









アキ「デビューしたね。」


「うん、嬉しい。」


アキ「嬉しいんだ。」


「嬉しいよ。」








彼がずっと頑張ってたの、知ってるから。


そんな彼女みたいな偉そうな事を口にしてしまったのは、きっとお酒のせい。

…なんて、自分に言い聞かせるけど
私重すぎって呆れる。









「…私さ、もう終わりにしようと思うの。」

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設定タグ:松村北斗 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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まゆみん(プロフ) - 読みたいです (12月31日 9時) (レス) @page34 id: 66c22866d5 (このIDを非表示/違反報告)
anna - 続きが早く読みたいです!すごくドキドキするし、ちょっと苦しいです、、更新楽しみにしてます! (2022年10月31日 18時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (2022年10月30日 17時) (レス) @page20 id: 2bdb18e4ab (このIDを非表示/違反報告)
だいきゃん(プロフ) - りなさん» ありがとうございます!!不定期更新ですが、よろしくお願いします! (2020年12月20日 18時) (レス) id: b5a2ac4f1e (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白くて一気見しちゃいました笑笑更新楽しみにしています!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 419554672b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいきゃん | 作成日時:2020年5月14日 17時

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