アイツと私の関係【赤】

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そ、っとネクタイから手を離したタイミングで
ガチャ、っと開いた扉。


本当は見計らってたんじゃないかってくらいのタイミングで
「お前らやっぱりここにいたか」と入ってきた上司。





「重岡、この前の件で話があんだけど」と言った上司に
「失礼します」と頭を下げて

私は入れ違いのように喫煙所を後にした。



その瞬間、「あっ、おい！」と聞こえたその声から逃げるように出来るだけ早足で、

喫煙所から離れた。









「…はぁ、」







出来るだけ遠く、とか思いながら着いたのは普段は滅多に使わない場所の女子トイレで。


やっぱり鏡に映る自分の姿は酷かった。

なんなら今朝よりも酷くなってんじゃないかってくらい。






いつもより可愛くなって伝えよう。


そう思ってたはずなのに。




伝えた私は、いつもより酷い姿。







…こんなつもりじゃなかったのに。


重岡への気持ちに気付かないふりをして、でも自覚した瞬間に伝えようなんて

そんな都合良い考えにバチが当たったのかも


なんて。





…泣いてばっかじゃん私。






泣くな！と自分の頰をパチン、と少し強めに叩いてみる。

けどそんな安易な方法で顔が引き締まるわけもなくて。


やっぱり、目の前に映っているのは自分の酷い顔。









牧田「Aさん？」

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