アイツと私の関係【赤】

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「…よし。」







鏡の前でどこか変じゃないかなとか、やっぱりこっちの方がいいかなとか

何度も何度もチェックするなんていつぶりだろうか。


そんな事を考えながらいつもよりお洒落になった姿でクルッと一周してみる。




休みの日に人に会うのってこんな緊張するっけ。



…違う、重岡だからだ。




毎週恒例行事みたいになっていた重岡との飲みも昨日は今日のために備えてと中止になって。

いつもなら寂しく感じるはずなのに昨日だけはそれがなんだかワクワクしちゃって。






「中学生か、私は。」





いつもより赤く染まった頰に両手を当てて
鏡に映ったその姿がまるで恋してるみたいで、

って…恋してるんだけど。







「…やばっ！行かなきゃ。」







そんなこんなで時間になってしまった時計を見て、慌てて玄関に向かう。

いつもより可愛い鞄を持って、いつもより履き慣れない靴を履いて。



誰も居ない家に行ってきますと呟いて扉を開けた。







そしたらなんだか外までも少し輝いて見えて。


…あぁ、やばい。幸せかも。




浮ついた心を周りにバレないように。

気づいたらしてしまいそうなスキップをしないように。

自然と緩んでしまう頰を誤魔化すように。



平常心を装って待ち合わせ場所まで歩いた。

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