アイツと私の関係【赤】

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「…あ！」


重岡「ぅわっ、なんやねん急に。」









やばい、忘れてた。

と手で顔を隠せば「なにしてんねん」と不思議そうに聞かれる。









「…見た、よね。がっつり見たよね。」


重岡「まあ、お前の裸なら昨日の夜たくさん…


「そうじゃない！
…そっちも十分恥ずかしいけど、今はそっちじゃない！」









つい重岡に気を取られて、いろんなことがありすぎて、すっかり忘れていた。

朝起きて私はシャワーを借りたわけで。
洗顔も借りたわけで。

つまり私は、…すっぴんというわけで。









「…重岡、マスクある？」









今更ながらに恥ずかしい。









重岡「マスク？…あぁ、そういうことか。」









やっと理解してくれた重岡から、あぁ、なんて聞こえる。


でも「ある」という割に、貸してくれる気配は一切ない。









「…あの、貸してください。」


重岡「やだ。」


「は…？え、なんでよ！」









指の隙間からちらっと重岡を覗けば、その顔はニッコニコで。

…こいつ、めちゃくちゃ楽しんでる。









「…ねえ、貸してってば。」


重岡「いーやーだ。」


「だからなんでよ！」









もう…、と少し開いてた指の隙間を閉じれば、一切見えなくなる重岡の表情。

でもきっとまだ、楽しそうにニコニコしてるんだろうなあ、なんて。


考えた瞬間、







「え、ちょっ…！」









ば、っと腕を掴まれて顔の前から退かされた手。

そのせいで、隠してたすっぴんは丸見えになってしまって。








「え、ねえ、ちょっと！」









多分、というか絶対。
頰が熱くなってるのが自分でもわかる。









「まって、ほんとに…


重岡「可愛いけど。」


「…へ？」


重岡「俺、すっぴんも可愛いと思うけど。」









緩んだ手。

だからまた自分の顔を隠せるはずなのに、なぜか動けなくて。


というか、頭が回んない。









重岡「普段の顔も、すっぴんも、

両方俺好み。」









それはきっと、多分、

いや絶対。




重岡のせいだ。

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