彼女はSixTONES

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コツ、コツ、とまた聞こえる足音。

でも昨日と違うのはその足音が、昨日よりもはっきり聞こえるという事。

速くなったり、私と同じペースになったり。


少しずつ大きくなる足音に恐怖を感じた。



マネージャーが休みなのは今日までだから、と心の中で自分に言い聞かせるけど

怖いものはやっぱり怖くて。


少し先にあるコンビニへと走ろうとした瞬間…







「っ、！」







ぐい、っと後ろから腕を引っ張られる。

そしたら嫌でも私の体は引っ張ったその人と向き合う羽目になって。


「やっとこっち向いた」なんて笑う、知らない人。







「…離してっ…！」






思い切り振り払おうと抵抗するけど、

「写真見てくれた？」なんて私の腕を掴む力は
ぎり、と強くなる。


それと同時に怖い、と恐怖心が一気に込み上げて
自分でもわかるくらいに顔が引き攣る。


そんな私を見て「その顔も可愛いね」って
距離が近づく。





…助けて。

メンバーの顔が頭に浮かんで、







「助けて…っ、」







口に出した瞬間。



「何してんの」って



聞き覚えのある声と同時に、離れた腕。







「しんたろっ、」






森本「この子に気安く触んないでくんない？」







いつもの優しい声とは違う、低い声。

でもその声に一気に安心して。
引き攣っていた顔が緩んだのがわかった。


気付けばストーカーはいなくなってて、そしたら慎太郎が
「大丈夫、あいつが逃げた方マネージャーいるから」


「警察も呼んでくれてるはずから」って。







森本「はー、…まじ焦った。

Aのとこに忘れ物したの思い出して車引き返してもらったんだけど、まじ正解。


っ…ぶね、」






「っごめん、…腰抜けた、」







かくん、と腰を抜かした私を支えながら

「もう大丈夫」って


背中をさすってくれる慎太郎に、胸が熱くなる。







森本「ごめん、Aが昨日から様子変なの気付いてたのに。
しつこくにでも聞いとけばよかった。」







「ごめん、」と抱き締めてくれる慎太郎に
ぶんぶんと首を横に振る。







「慎太郎、ありがとう、」






森本「あったりめえよ！
Aを傷つける奴は許さねえ！ってな。」







「ヒーローみたい」って笑えば
「変身！」なんてポーズを決める慎太郎。







森本「あ、忘れ物って歯磨きなんだけど。
置きっぱでいい？」






「ダメです。」

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